金型・部品加工業専門コンサルティング

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【技術ワンポイント】リーマの選定について

FAQ

【技術ワンポイント】リーマの選定について

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「最近とても多くのリーマが販売されていて、どれを使ったらよいかわかりません。

材料の違いによる基準で選んでも、重複しており、よくわかりません。選定方法について教えてください。

マシニングセンターに取り付けて加工することを前提としております。」

 

先日クライアントさまより、このような質問を受けましたので、そのときの回答をアップしたいと思います。

以下、回答文です。

 

リーマの選定について

株式会社 日研工作所のリーマから選択する場合の参考図

油性切削液の場合の被削材と切削速度

http://www.nikken-kosakusho.co.jp/reamer4.htm

リーマダウンロード | 株式会社日研製作所」サイトより (最終閲覧日:2016年10月15日)

 

この中で、ハイス製のリーマを前提に検討すると下記の選択肢があります。

 

① 通常のブローチリーマ

通常のブローチリーマ

http://www.nikken-kosakusho.co.jp/catalogue_pdf/Reamer_165C_035.pdf

PDFカタログダウンロード | 株式会社日研製作所」サイトより (最終閲覧日:2016年10月15日)

② NCセンサリーマ

NCセンサリーマ

http://www.nikken-kosakusho.co.jp/catalogue_pdf/Reamer_165C_025.pdf

PDFカタログダウンロード | 株式会社日研製作所」サイトより (最終閲覧日:2016年10月15日)

 

③ タフカットスキルリーマ

タフカットスキルリーマ

http://www.nikken-kosakusho.co.jp/catalogue_pdf/Reamer_165C_029.pdf

PDFカタログダウンロード | 株式会社日研製作所」サイトより (最終閲覧日:2016年10月15日)

 

 

まとめ
①~③のリーマは、どれも「右刃左ねじれ」の形状をしており、下記の文献に示すように、ストレート刃と比較して、切削トルクは下がる反面、穴側面をバニシングする際の締め付け力、つまり穴を細らせる力は大きくなるため、特に、SKDなどの合金鋼や、場合によってはS50Cの炭素鋼など、そこそこ硬度が高い材料のリーマ加工に使用すると、穴径が小さくなりやすい傾向にあります。

 

「機械工学全書103 穴加工と穴加工用工具の設計」より

著者 佐久間, 敬三 出版社 ラジオ技術社 出版年 1965 「穴加工と穴加工用工具の設計 (1965年) (機械工学全書〈第103〉)」より

 

ですので、昔からよく、ストレートリーマが使われてきたのですが、ねじれのあるリーマと比較すると、やはりストレートリーマは切削トルクが高くなります。刃長分が同時に切削(バニシング)に関与しますので。

そのため、穴側面が粗くなる傾向にあります。

 

そこで、リーマメーカーとしては、右刃左ねじれでも、穴の細らない、締め付け力が小さくなる刃先特性の工具を模索し販売しているのだと思います。

それらが、NCセンサリーマとか、タフカットスキルリーマです。

 

また、1ページ目の最初の図表に書いてあるのですが、油性切削油向きとなっています。逆に水溶性切削油向きは、下図のように、別のリーマの種類のようです。

水溶性切削液の場合の被削材と切削速度

http://www.nikken-kosakusho.co.jp/reamer4.htm

リーマダウンロード | 株式会社日研製作所」サイトより (最終閲覧日:2016年10月15日)

 

かなり高い切削速度になっていますので、これらは超硬リーマです。

ですので、最初に挙げた上記①~③のハイスリーマにおいては、超硬リーマに比べると、切削速度が遅い分、面粗さが悪くなりますので、潤滑性の高い油性切削油でないと、穴側面のきれいな面あらさが出せないのだと思います。

また、切削速度が遅いと、溶着しやすくなりますので、面粗さは悪くなります。したがって比較的、抗溶着性の高い油性の切削油の方が、ハイス製のリーマには適しています。

 

ところが、ラジアルボール盤など、手加工でリーマを使う場合には、油性の潤滑油を塗布して加工しますが、マシニングに取り付けて加工する場合は、ほとんどが水溶性の切削油になってしまうため、要注意です。

 

したがいまして、マシニング加工で使う場合は、下記の選択肢でリーマ選定を行なうのが、リスク回避の面で、よろしいかと思います。

 

1. 自動加工の最後に、リーマ加工だけを残して、タッピングオイルなどを手動で塗布して加工する。そのように使うのでしたら、通常のブローチリーマでも対応できますが、もしSKDの加工などにも使うのでしたら、コーティング処理がされているNCセンサリーマの方が、耐久性・潤滑性の点で優れていると思います。私の知り合いにも、ユーザーは多いです。

ほとんど、SS400かS50Cしか加工しないといった加工屋さんは、NCセンサリーマをマシニングにつけ、水溶性切削油で加工しているところが多いです。

 

2. 水溶性切削油のマシニングにも対応できる、タフカットスキルリーマを採用する。

なお、価格ですが、株式会社Misumiのサイトを見ますと、次のような価格帯になっております。

③タフカットスキルリーマ(ストレートシャンク) 型番SRS-10.00 @9,360円
②NCセンサリーマ(ストレートシャンク)型番NCS-10.00 @13,680円
①ブローチリーマ(ストレートシャンク)型番BRS-10.00 @2,490円

http://jp.misumi-ec.com/vona2/fs_machining/T0109000000/T0109020000/

ハイスリーマの選定・通販|MISUMI-VONA【ミスミ】| 「株式会社Misumi」サイトより (最終閲覧日:2016年10月15日)

 

タフカットスキルリーマは、NCセンサリーマよりも安価なので判断しやすいですが、いつも使ってみえるブローチリーマは、1/3以下の価格なので、採用は悩ましいところです。

ただし、タフカットスキルリーマは、粉末ハイスを使っているので、剛性が高く、ビビリに強いので、加工精度は安定すると思います。

現在、穴径不良などがあるようでしたら、採用を検討されてはいかがでしょうか。

 

以上になります。

参考になれば幸いです。

 

 

※ 実際の加工においては、工具材種だけでなく、被削材の物性、機械剛性、工具の消耗状態、被削材のクランプ状態などの外的要因で、如何様にも状態は変化するため、実際の加工においては、自己責任のうえ、充分な確認・検証を行ったうえで、加工してください。

 

金型・部品加工業専門コンサルティング

技術コンサルタントshoei

代表コンサルタント:村上 英樹

 

 

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