金型・部品加工業専門コンサルティング

金型・部品加工業専門コンサルティング(加工コンサル)は、金型メーカーや、マシニングなどの機械加工業を専門とする経営コンサルタント事務所です。

TEL.0566-21-2054

〒448-0853 愛知県刈谷市高松町5-85-2

【OJTにおける教え方のポイント】CAM作業での事例にて

FAQ

【OJTにおける教え方のポイント】CAM作業での事例にて

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

普段、製造現場で行われているOJT、もう何回も教えているという先輩方もいらっしゃると思いますが、気を付けなければいけない点があります。

そもそも、金型製作や機械加工の仕事が難しいという理由として、仕事をやるために必要となる、知識と技能を、まず身に付けなくては、そもそも仕事自体ができないということがあります。

 

これが手順書などで仕事をする、サービス業や小売業の現場とは違うところです。

この知識と技能が、先輩から後輩へ教えられていくのですが、その教え方が曖昧になっているために、せっかく教えた知識が、正しく使われていないという状況をよく見かけます。

 

先日、このような話がありました。

2次元CAMを使った切削加工についてです。

 

下図の中の、赤い線の部位の貫通形状の切削加工を行うにあたり、当事務所でも使っているhyperMILLの2D加工の機能を使い、どのように加工したらよいかという、初歩的な質問を、まだCAMに慣れていない加工者さんから受けました。

切削部品の一例

 

 

この形状をCAMを使って荒取り加工するにあたり、次の選択肢があると思います。

 

  1. ポケット加工の機能を使う。
  2. 輪郭加工の機能で対応する。

 

それぞれを試したところ、下図のようなパスが出ました。

 ポケット加工機能のパスが、こちら。

ポケット加工のパス

 

輪郭加工のパスがこちら。

輪郭加工のパス

 

 

結局どちらの機能でも、問題なく荒取り加工ができることがわかりました。

 

ここでもう一つ、質問の回答に補足をしました。

「こういった加工のとき、どちらを優先して使うべきか」についてです。

 

そこで、「基本的に輪郭加工を優先して考え、次に輪郭加工で対応出来なかったらポケット加工を使う」と、アドバイスしました。

 

つまり、輪郭加工を優先して使うことを、まず検討するべきだということです。

 

理由は、先ほどのパスの出方にあります。

 

輪郭加工と比較すると、ポケット加工は、軌跡の総距離が長くなっています。

ポケット加工の機能は、パス軌跡は基本的にオートマチックにCAMに計算させるため、人間がコントロールできる余地は少ないです。

ポケット加工のパス輪郭加工のパス

そのため、今回の事例においては、必要最小限の軌跡で加工している輪郭加工よりも、ポケット加工は、複雑に細かく動き、無駄の多い軌跡になっています。

 

本来、2Dの切削加工においては、ポケット加工で荒取りを行い、輪郭加工で壁面を仕上げるというのが、CAM製作側の思惑だと思いますが、ことユーザー側の、加工効率を考えた場合、その思惑の限りではありません。

 

特に、一品だけの加工ではなく、数ロット加工するとなった場合、ムダなパス軌跡は、その数量の分だけムダが多くなります。

やはり、技術者としては、パスをコントロールできる機能を優先的に選ぶべきでしょう。

 

hyperMILLの2D切削においては、なるべく輪郭加工を使った方が、加工効率のよい荒取り加工のパスを出力させることができます。

加工範囲が広いなどの理由で、輪郭加工では対応が厳しいという場合、次はポケット加工の機能を使うという順番で考えると良いと思います。

 

ところで、今回のコラムの本題は、この機能についての解説ではありません。

「OJTで教えるときに、重要なこと」についてです。

 

今回の、輪郭加工とポケット加工のように、対象とする形状において、どのような優先順位を持って加工を考えていくべきか、理由と共に、明確に教えてあげないといけないということです。

 

これについては、企業ごとに、優先順位が変わっても構いません。それが会社のノウハウです。

前述した手順が、必ずしも唯一の正解というわけではありません。

 

要は、その優先順位が教える人のなかで明確になっていて、それをきちんと後輩に教えることが出来ているかどうかがポイントです。

そうした教え方でなければ、知識だけの頭でっかちになるか、覚えておらずスルーしていくかのどちらかになってしまいます。

 

やはり、金型製作や機械加工業は、応用力があってナンボなので、この応用力をどう育てていくか、ここが難しいところです。

 

普段行っている、先輩から後輩へのOJT、ぜひ実のあるものとして、よい教育活動を行っていってください。

 

 

*****************
金型・部品加工業専門コンサルティング

技術コンサルタントshoei

代表コンサルタント:村上 英樹

 

 

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA