金型・部品加工業専門コンサルティング

金型・部品加工業専門コンサルティング(加工コンサル)は、金型メーカーや、マシニングなどの機械加工業を専門とする経営コンサルタント事務所です。

TEL.0566-21-2054

〒448-0853 愛知県刈谷市高松町5-85-2

第2回目、プレス板成形のCAE検証:市販専門書の実践検証「プレス加工のツボとコツQ&A」

FAQ

第2回目、プレス板成形のCAE検証:市販専門書の実践検証「プレス加工のツボとコツQ&A」

プレス加工のツボとコツQ&A

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

市販専門書の内容を使って実践検証する当サイトの企画の2回目です。

前回、「プレス加工のツボとコツQ&A」という専門書を第1回目ということで、とりあげました。

 

引き続き、本の64ページに書かれている「フランジのある製品を曲げるとフランジにしわが出る」の続きを見ていきます。

 

このフランジ曲げですが、下図2-41に書かれているとおり、第2工程で曲げられると、フランジ部は圧縮されるため、挫屈が発生します。

図2-41 フランジのある製品の曲げ加工

図2-42 圧縮応力による挫屈としわ

 

そこで、下図のように、圧縮される部位の板幅をカットする対策が、本書に記載されています。

図2-43 曲げ部のフランジ高さを低くした例

 

前回、当事務所で使用しているシュミレーションソフト、LS-Dynaを使ってシュミレーションしたところ、やはり上の図2-42のように、挫屈の現象が表れました。

板厚のコンタ表示

 

そこで今回は、上の図2-43に習い、ブランク形状をカットして、シュミレーションにかけてみました。

修正したブランク形状

前回のように、L曲げを先に行い、2工程目にフランジ曲げを行ったところ、下図のようになりました。

修正したブランク形状のフランジ曲げ後

 

輪郭形状を少し凹ませ過ぎたようです。そこで、少し微調整してみます。

再度、修正したブランク形状

再度、シュミレーションにかけてみました。

再度、修正したブランク形状の2工程目のアイソメ図

先ほどよりも、凹みが緩和されました。

真横から見てみると・・・

再度、修正したブランク形状の2工程目の側面図

やはり凹みが緩和しているようです。

 

 

もう少し、ブランク形状を微調整してみます。

3回目の修正ブランク形状

このブランクの、2工程目の成形後は、下のようになりました。

3回目の修正ブランク形状の成形後1

3回目の修正ブランク形状の成形後2

おっと、今度は若干膨らんでしまったようです。

 

 

再度また、微調整をかけます・・・といったように、実際の展開形状を出す作業は、このようにやっていくわけですね。

 

シュミレーションが無かった時代、私も現役時代はさんざんやりましたが、トライ用のプレス機に金型を取り付けておき、ワイヤーカットやレーザーでカットした展開の予測形状のブランク板を、プレスしながら、もし製品寸法が違えば、再度微調整し、目的の製品形状になるまで、何度も展開形状を修正してはプレスし、探っていきました。

 

しかも、加工後の金型の成形部に問題が無ければよいのですが、そもそも製品にカジリが出たり、当たり傷が出たりすると、展開出し作業の前に、金型修正の作業が入ります。

 

シュミレーションという便利なツールがある今では、展開出し作業をコンピューター上で行うことができることで、実際に金型を製作してからプレス作業を行う場合と比較して、効率的に行うことができると思います。

しかも、金型形状を変えるという大作業が発生しても、コンピューターの中であれば、実際に加工するよりは、少ない工数で行うことができます。

 

さて、再度、微調整した結果が、下図になります。

4回目の調整後のブランク

4回目の調整後の成形後1

4回目の調整後の成形後2

 

 

今、市販されているシュミレーションソフトは、展開形状を自動計算してくれる機能があります。

ただ今回は、そもそも展開出し作業はこのように行っていくもの、材料はこのように動くということを知る機会として、昔ながらの手順を踏襲してシュミレーション作業を行いました。

 

このように、「市販専門書の実践検証」は、答えを示してくれている専門書の内容について、自らその根拠を探索していくという企画になります。

 

引き続き、フランジ曲げについては、別の機会でも触れていきたいと思います。

 

当事務所では、実務に活かせることを重点においた、基礎学習、応用学習をサポートしておりますので、ご興味ありましたら、お問い合わせください。

 

参考文献「プレス加工のツボとコツQ&A」 著者:吉田弘美 著 出版社:日刊工業新聞社 出版年:2008

 

金型・部品加工業専門コンサルティング

技術コンサルタントshoei

代表コンサルタント:村上 英樹

 

※ 実際の加工においては、被削材の物性、機械剛性、工具の消耗状態、被削材のクランプ状態などの外的要因で、如何様にも状態は変化するため、実際の対処については、自己責任のうえ、充分な確認・検証を行ったうえで、加工してください。

 

 

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA