金型・部品加工メーカーの5S基礎のキソ!(第3回)
金型メーカーや機械加工メーカーの製造現場や事務所を見て回る「5Sパトロール」を、WEB上で仮想的に行う企画、
「【WEB上で5Sパトロール】金型・部品加工メーカーの5S基礎のキソ!」
今回は第3回目になります。
それでは、前回のおさらいも踏まえながら、早速見ていきましょう。
今回はミーリングチャックの保管状況から見ていきます。



これは前回までのおさらいになります。
こちらもよく見かける状況ですが、何がいけないのでしょうか?
これは硬い金属のミーリングチャックどうしが当たって、打痕やすり傷などがつきやすい状況になっていることです。
普段から100分台の加工精度を狙って仕事をする加工現場においては、あってはならない状況です。気を付けましょう。
では次を見ていきましょう。

こちらは何がいけないのでしょうか?
これもよく見かける風景ですが、材料などを運搬する台車について、使用中についても、使用していない時についても、定位置が決まっていないことです。
特に使用しないときは、きちんと定位置を定め、台車の周りにL字の区画線を入れ「定置化」を行いましょう。
また、使用中で工作機械の近くに台車を置いておく場合でも、今回の写真のように無造作に放置しておくと、いかにも5Sが良くないという職場に見られ、品質や納期管理が甘い現場なのではないかと思われてしまいます。気を付けましょう。
では、次です。

これも前回からのおさらいですね。
ツッコミどころ満載ですが、最も良くないことは、デプス測定具が、工具などに埋もれ、キズがついたり曲がってしまいそうな状態で保管されていることです。
お客さまが来る工場見学などで、このような状況を見られたときには、とてもこの加工現場で、精度の良い部品が作られているとは絶対に思われないでしょう。
ちょっとした手抜きが会社にとって大きな痛手をこうむることになりかねません。気を付けましょう。
また、写真にあるドリルやエンドミルなどの工具も、キズや変形のもとになるような無造作に入れた保管の仕方になっていますので、これは絶対にやめましょう。
では、次です。

一見、きれいに箱に入れられてるように見受けられますが、これは何がいけないのでしょうか?
答えは、ここから必要となる直径のドリルを探そうとすると、ムダに時間が多くかかるということです。
次の写真も同様です。

こちらも一見、きれいに箱に入れてられているようですが、ここから使いたいドリルを探そうと思うときには、いちいち時間をかけて探すことになりそうです。
こうした工数に直結する症状の5Sは、最も優先的に改善に取り組むべきです。
今回最後は、見た目だけでなく、効率性などにも影響する内容を見ていきましたが、次回はステップアップして、5S上級者が目指す「管理された状態」について触れていきたいと思います。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。
引き続き、よろしくお願いいたします。
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コラム投稿者
金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054