CAMを使った3D加工における工数に配慮したパスの作り方

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CAMを使った3D加工における工数に配慮したパスの作り方

今回は、CAMを使い、ボールエンドミルを使って自由曲面などの3次元加工を行う際に、工数を少なくすることに配慮したパスの作り方についてみていきたいと思います。

なお、自由曲面などの3次元加工というのは、例えば、下図のようなボールエンドミルでないと加工できない形状を指します。

では、さっそく手順をみていきたいと思いますが、当事務所のクライアント先には、5軸マシニングを使っている事業者もみえるので、下記のそれぞれに分けてみていきたいと思います。

  • 3軸加工の場合
  • 5軸加工の場合

ポイントは、次の2点です。

  1. 形状に深い部位があり、ホルダー干渉を避けるため、工具突き出し長さが長くなっても、1本で全ての部位を加工しない。1本で加工すると、工具のカタログ加工条件よりも何割か下げた送り速度で加工せざるを得なくなる。
  2. 工具突き出し長さが長くなる場合は、工具のカタログ加工条件が出せる突き出し長さまでの工具と、送り速度を下げざるを得ない長い突き出し長さの工具とを分けること。

① 3軸加工の場合

  1. 目安として突き出し長さ4D以内で加工できる部位・エリアを抽出して加工する。
       
    φ10ボールエンドミルにおける工具突き出し長さ等高線加工における加工エリア
       

    理由:最もカタログ値に近い送り速度が出せるため。


       
  2. 次に、突き出し長さ6Dを目安に、この長さで加工できる部位・エリアを抽出して加工する。
       
    工具突き出し長さ6Dの様子突き出し長さ6Dの加工エリア
       

    理由:ステップ1.の送り速度の10~20%減ていどで加工できるエリアを確保するため。


       
  3. 突き出し長さ8D以上で加工する部位を抽出する。
       
    工具突き出し長さ8Dの様子
       

    理由:残った部位を、やむなくステップ1.の30~50%以上減の速度で加工するため、出来る限り少ない範囲にしたい。


       

② 5軸加工の場合

  1. 3軸加工と同じく突き出し長さ4D以内で加工できる部位を抽出し、まず5軸機能は使わず、3軸加工における「等高線加工」を行う。

    理由①:5軸加工は便利である反面、主軸やテーブルなど、精度や各軸同期速度のベースとなる旋回軸・傾斜軸が同時駆動する加工であるため、寸法確保・加工時間への影響が大きい。そこでまずは、出来る限り動かす軸が少ない加工を行い、加工品質・送り速度の安定を優先する(特に金型部品など)。


    理由②:3軸加工の仕上げ工法については、一般的に「等高線加工」と「走査線加工」があるが、品質優先のために「等高線加工」をまずは採用する。 「走査線加工」はXYZ、3つの軸が同時に動くことが多いが、「等高線加工」は基本的にZ軸位置を固定したあと、XY軸のみで軌跡をつくる。そのため「走査線加工」よりも「等高線加工」の方が寸法精度を確保しやすいため。

       


    理由③:突き出し長さ4Dまでであれば、最もカタログ値に近い送り速度が出せるため。


       
  2. 突き出し長さ4Dで加工できる部位を抽出し、5軸機能は使わず、3軸加工における「走査線加工」を行う。
       

    なお、「等高線加工」と「走査線加工」では、「等高線加工」が先で「走査線加工」は後に行う。これは「走査線加工」における壁面付近に接近した際の安全を確保するためであり、必ず「等高線加工」を先に行っておく。


       
  3. 突き出し長さ4Dと同じ工具のまま、5軸機能を使って干渉回避機能を使った加工を行う。
       
    5軸加工を使った加工エリア
       

    5軸加工よりも3軸加工の方が加工精度を出しやすいため、まず4D以内の工具突き出し長さで加工できるエリアを3軸加工で先に加工しておき、次にその工具で届かないエリアを5軸加工で行う。

       
  4. 突き出し長さ4D以内の同じ工具で加工できても、狭い凹部が存在すれば、そこを抽出し、広く開けたエリアを加工する際の1/3くらいの送り速度まで下げた加工を行う。
       
    3次元加工の狭小部位

       


    なおそれにあたり、前述した手順①~手順③において、当該エリアの加工パスは除外しておくことで、手順①~手順③ではカタログ値の送り速度を出せるようにする。


       

    理由①:最もカタログ値に近い送り速度が出せるエリアを出来るだけ多く確保するため(あらかじめ狭い凹部を除外しておく)。


       

    理由②:狭い凹部は加工負荷が高く、ゼロカットによる再仕上げ加工の頻度が高くなる。そういった部位の加工パスをあらかじめ分けておくため。


       

まとめ

以上、CAMを使った3D加工における工数に配慮したパスの作り方をまとめてみました。

加工目に配慮した加工パスの演算ができるようになった次は、やはりビジネスとして、加工時間に配慮したパスが出せるようステップアップしてみてはいかがでしょうか。

もし実際の加工モデルを見ながら、具体的なアドバイスが欲しいという場合は、お気軽にお問い合わせください。

※ 実際の加工においては、工具材種だけでなく、被削材の物性、機械剛性、工具の消耗状態、被削材のクランプ状態などの外的要因で、如何様にも状態は変化するため、実際の加工においては、自己責任のうえ、充分な確認・検証を行ったうえで、加工してください。

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