製造現場に目標が課せられるから、課題が生まれる
今回のテーマは、「製造現場に目標が課せられるから、課題が生まれる」です。
私がコンサルティングしている会社には、ある対応によって2種類に分かれます。
一つは、「とにかく何でもいいから、自社のやり方に問題がないか見つけてくれ」という会社です。
もう一つは、「もう出来ています。ウチは問題ありません。」というスタンスで、何も質問をしてこない会社です。
この違いはどこから生まれてくるのでしょうか。
ハードルが高いから、今出来ていないことは何かを意識する
これは製造現場に「目標」が与えられているかどうかで違いが生まれます。
例えば、月次や半期、年度ごとの売上目標が与えられていれば、加工担当者としては仮に納期に余裕があっても、早く終わらせて次の仕事に着手していかないと、実績の売上額が積み上がらず目標を達成できません。
また別の例で、利益目標が与えられていれば、これも納期に余裕があっても加工を早く終わらせないと、工賃分の原価がどんどん積み上がってしまい、案件ごとの利益が上がってきません。
したがって、適切な目標を与えられていない製造現場では、「納期にさえ間に合えばいい」「要求品質のモノを作れば問題ない」といったような、損益意識のない仕事ぶりになってしまうというわけです。
こうした目標が与えられていない状況の中では、会社や部門の損益の実態を知っている経営者や事業部長が何とか収益を改善しようと、現場にゲキを飛ばしても、なかなか本人たちは自覚できませんし、外部のコンサルタントがヒアリングや現状把握をしようとしても、現場の担当者は「もう出来ていますのでウチは問題ありません。」といった、あたかも逃げるような態度になるわけです。
一方、前年度よりも高い売上や利益目標を課せられた製造現場は、それどころではありません。
現有の戦力(人員・設備)で、売上や利益を達成しなければいけないため、何か人の手を省けることや、一つでも多くのワークを乗せられる加工の仕方などを必死で質問してきます。
もちろん必要であれば設備投資も検討しますが、利益目標の達成と言う点で言えば、それだけ固定費が増えますので、積み増ししなければならない売上額のハードルが上がります。これを踏まえた中での目標を与えられている製造現場は強いと思います。
もちろん、その常に高くなるハードルを乗り越えた見返りを、適切に与えている会社の社員さんのモチベーションは高くなり、社内に好循環が生まれているというわけです。
望ましい目標の与え方とは
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