当事務所のコンサルタントが29年前初めて入った担当作業
私が29年前(平成31年4月現在)、あるプレス金型メーカーに入社して、初めて担当した作業が、図にあるような倣い加工機です。
先日、あるプレス金型メーカーを訪問させていただいた際に話題に出たので、このことについて書いてみたくなりました。
当時勤めていた会社では、まだ3次元データ加工というものはまだ無くて、下図の右側にある木型モデル、またはそこからとった反転モデルである石膏を使い、左側にある金型素材となる鋼材を同じ形に削り出す、倣い加工によって、製品形状を削り出しておりました。

この倣いの仕組みはとても面白くて、セッティングに結構悩まされます。
というのは、右側のモデルをなぞるスタイラスと呼んでいた棒状のピンですが、このピンは一定の力でモデルに触れ続けないといけません。
ですから、自分が設定する分だけ、このスタイラスがわざと倒れるように設定します。
例えば、0.1ミリとか0.2ミリとか。
そのレンジの分だけスタイラスが倒れ、左側の切削工具は、その分だけ余分に多く切削することになります。
当時、その概念を理解するのに少し苦労しました。
さらにプレス金型は、「板抜き」という考えがあって、上型と下型で素形材をプレスする際、製品の板厚分が、隙間として目的形状の形で上下の金型の間に空いてなければいけません。
ですから、上型か下型のどちらかに板厚の分だけ、余分に大きく削り込まないといけない。
そこで、右側のモデルに触れるスタイラスと、左側の切削側に取り付ける切削工具(エンドミル)の直径に違いをつければ、モデルよりも指定した分だけ大きさをオフセットした金型形状が出来上がります。
なんと素晴らしい機械でしょうか。
現在、倣い加工機は、リバースエンジニアリング、古い金型を復元する用途で使われているようです。
たしかに木型も図面も無くなってしまった古い金型は、3次元CADによるモデリングでは再現することができませんから。
この倣い加工機は、プレス金型の考え方を踏襲した素晴らしい機械だったと改めて思いだしました。
金型・部品加工業専門コンサルティングからのご案内
ホームページの技術コラム本の第8巻が発売されました!

設計部署や製造現場、管理部署にぜひ一冊。
経営者や部長などマネージャー職の方々から、悩める現場リーダーへのプレゼントにも最適です。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
【改善・管理の上級編】セミナー動画が発売中です【お得なDL版あります】

過去に大手セミナー会場で、代表コンサルタントが講師として登壇した内容をZOOMで再収録しました。
内容は、加工や管理における上級コースとなります(基礎知識はすでに持っておられる方向けになります)
動画セミナーですので、いつでも何人でも受講でき、長時間一気に受講する必要もありません。隙間時間を有効に使って受講できます。
お買い求めしやすいダウンロード版もございます。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
【書籍販売中です】経営が厳しい金型メーカーのための本
このホームページに掲載している多くの技術・管理コラムから、経営が厳しい金型メーカーのために、大きな投資に頼らず、意識面や仕事の取り組み方などから改善改革していける方策に関するコラムを集めた本をつくりました。
こちらの書籍を販売しております。内容は、366ページの大ボリュームとなっております。

ぜひ社員の皆さまで読んでいただければと思います。また、金型メーカーを支援される金融機関や公的機関、会計事務所やコンサル会社でお勤めの方々にも、読んでいただければ幸いです。
詳しくはこちらのページからどうぞ。
YouTubeを使った上級セミナーを配信中です

金型メーカー・部品加工メーカーにおける、個別テーマの上級セミナーを配信しております。
YouTubeによる動画配信ですので、ネット環境があればいつでもどこでも視聴できます。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
「金型メーカー・機械加工業のための管理職育成マニュアル」発売中です

当サイトの管理職育成ルームに掲載しているコラムを集めて編集したものになります。
金型メーカーや機械加工メーカーで、新たに管理職になられる方や、すでに管理職としてお仕事をされている方向けに、ストーリー形式で、心構えから具体的に取り組む業務内容まで、幅広くまとめております。
くわしくは、こちらのページからどうぞ。
「金型メーカー・部品加工メーカーにおける処世術」が発売中です
こちらの書籍は、金型メーカーや部品加工メーカーにおいて、国内全体で賃上げの機運が高まる中、勤める会社に貢献しながらも、ご自身の付加価値・市場価値を高めていこうとされる方々の一助になるような内容をお届けすることを目的としています。

「処世術」をテーマにした一般書籍はたくさんありますが、主にホワイトカラー向けのものが多く、金型メーカーや部品加工メーカーのお仕事ですぐに使えるものが少ないと思っています。
一方この本では、金型メーカーや部品加工メーカーの現場「あるある」を題材にしており、そこでお仕事をされる方々に身近なわかりやすい内容にしております。
簡単なワークも掲載していますので、社内研修にもお使いいただけます。
詳しくはこちらのページからどうぞ。
「金型メーカー・機械加工業のための自己診断ハンドブック」が発売されました!

私がコンサルティングの初回訪問時や、無料診断サービスにおいて、訪問先企業の製造現場で確認する項目を解析付きで紹介しています。
金型メーカーや部品加工メーカーに皆さまに、自社をセルフチェック(自己診断)するために使っていただければと思っております。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
2パターンの技術セミナーレジュメを販売いたします

日刊工業新聞社さん主催で行われた、機械加工メーカー向け、金型メーカー向け、それぞれの技術セミナーで配布されたレジュメを販売いたします。どうしても遠方で参加できないといった方や会社さまより、レジュメだけでも使いたいとリクエストがあったためです。
当事務所のホームページに掲載されているコラムの内容がベースとなっておりますが、それとの違いとしては、具体的計算と事例ワークなどを盛り込み、ホームページよりも手厚く解説しております。
本来レジュメと言いますと、図やイラストがほとんどで、言葉による文章が入っていないイメージがありますが、本レジュメはそうではなく、復習がしやすいよう、多くが文章で構成されており、1人で読み進めることができます。
くわしくはこちらのページからどうぞ
ミドルマネジメント層向け人材育成セミナーのレジュメを販売いたします

ミドルマネジメントの人材育成のテーマで、講演をさせていただいた際に作成したレジュメ(当日映写したパワーポイントファイルと同じものです)を販売いたします。
日程や生産管理、品質管理だけが幹部・管理職の仕事ではありません。儲けるためのマネジメントが必要です。
そういった視点や意識を持ってもらうためのきっかけとしてオススメの一冊です。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
4コマ漫画ギャラリーを開設しました
コラムページにプロローグとして添付している4コマ漫画を集めたページを開設しました。

こちらをクリックすると入れます

コラム投稿者
金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054