単品小ロット現場にもIEは効く?「べき動率」の差を生む「やり方の違い」を標準化

ものづくりの現場で「センスが良いとされる人」を考察してみます

単品小ロット現場にもIEは効く?「べき動率」の差を生む「やり方の違い」を標準化

以前のコラム「売値単価に影響されない現場のモチベーション管理」では、当事務所オリジナルの指標である「べき動率」について触れ、ベテランと若手で作業効率(べき動率)に差が出る主な原因は、しばしば「作業のやり方の違い」にある、というお話をさせていただきました。

今回は、その続編となるお話です。

IE改善への挑戦:単品小ロット現場での試み

前回取り上げた機械加工メーカーでは、次なるステップとして、べき動率の個人差を是正するためにIE(インダストリアル・エンジニアリング)による改善活動に取り組みました。

IEとは、一般的にはストップウォッチを手に量産ラインの各動作やタクトタイムを計測・分析し、無駄を削減したり、工場レイアウトや動線を分析して効率化を図る改善手法を指します。

非常に幅広い分野ですので、詳細な説明は専門サイト等に譲りますが(検索すれば多くの情報が見つかります)、今回の改善で用いたのは、その中の「作業分析」に近いアプローチです。

「量産向けの手法でしょ?」への回答

金型製作や単品小ロット加工の現場でIEの話をすると、決まって「それは量産現場の話でしょ」「毎回作るものが違うのに、ストップウォッチで測っても意味がない。それは個人差ではなく案件の差だよ!」といった反応が返ってきます。

確かに、それはもっともな意見だと思います。

しかし、今回の事例企業はまさにその単品小ロット加工が主体の現場であり、「それでもIEを試してみたい」とのご依頼から改善がスタートしました。

果たして、その結果はどうだったのでしょうか。

ミクロ視点での作業分析

おっしゃる通り、単品小ロットの現場で、案件ごとに内容が異なる作業工程全体を対象にストップウォッチで動作分析を行うのは、たしかにあまり意味がないと思っています。

そこで今回は視点を変え、もっと「ミクロ」なレベル、つまり個別の「作業要素」に分解して分析することにしました。

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