転職のススメ???
こんなタイトルを書くと、日ごろお世話になっている金型メーカーや部品加工業の経営者さんに怒られてしまいそうですが、実際のところはどうなのか、書いてみたいと思います。
金型メーカーや部品加工メーカーの経営者や管理職の方々から見て、この業界の離職率はやはりそこそこ高いとの認識があると思います。
そもそも「ものづくりが好きで」という動機で、この業界に入ってくる人も今は少ないと思います。給与面や待遇面、通勤距離、自己適正などを考慮した結果、行きついた先が金型メーカーや部品加工メーカーだったという人も多いと思います。
実際、コンサルタントの私のところにも、離職率の高さについて、企業のお悩みを聞くことが多々あります。
さて実態はどうなのか。私は仕事柄、離職される会社側・転職先になる会社側、いずれも見ておりますので、そこを踏まえた状況で申しますと、
たしかに、マシニングセンターや放電加工などの経験者が、転職先で「神」扱いで優遇されるという転職天国のような会社は存在しています。例えば、そこそこ儲かっている成形メーカーで、立ち上がったばかりの金型内製部門などに転職した場合などです。
一方、その「神」扱いとなった転職者が元々いた会社で「神」扱いレベルだったかというと、複数いる経験者の中で平均的なレベルの加工者だったという場合があります(実際私から見ても、それほど飛びぬけてすごい知識と技能でなかったりします)。
さて、転職先となった会社では、そもそもそういった「神」扱いの技術者を社内で育てられなかったのかという議論は別途ありますが、それはさておき、その転職者が元いた会社の方では平均的だった、その作業者の離職をどう食い止めるのか・待遇面をどう改善していくのか、という議論が出てきます。
実際のところ、「神」であるか、そうでないかという違いがあるわけですから、その人の需要・市場価値には明確な違いが出てきます。
ところで少しグローバルな話になりますが、先日選挙前にテレビで、一向に給料単価が上がらない日本の労働者と比べて、アメリカの労働者は、リーマンショックなどの急激な変化点は別として、過去から堅調に上がっているという話がありました。
この原因について、日本は雇用を守るために、苦境に立たされている企業に雇用調整助成金など補助することで企業の倒産を防ぎ離職率を上げない方策をとる、一方、アメリカは苦しい企業を助けるよりも、失業した人を儲かっていて人手が足らない企業へ転職を促す方策を取る(雇用調整助成金よりも失業保険を手厚くする)とのこと、儲かる企業をより活かす、だから経済が回り、そこで働く人の給料が上がる、というロジックとのことでした。
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