金型・部品加工メーカーの経営を左右する「いくらでつくるか」という意識(型技術2024年6月号掲載)
筆者は金型・部品加工業専門のコンサルタントとして、多くの金型メーカーやプレスメーカーなどの金型内製部門、マシニングセンターや放電加工機などを扱う部品加工メーカーと接してきた。
その中で、特に現場で作業される方とお話しをするときに、いつも気になっている、金型メーカーや部品加工メーカーにとって重要な「いくらで作るか」という意識について、今回は掘り下げてお話してみたいと思う。
金型・部品加工業は、競争が激しく、常にコスト削減が求められる業界である。 その中で、「いくらで作るか」という意識は、企業の存続を左右する重要な要素となる。
金型内製部門における「いくらで作るか」という意識が欠如する傾向
筆者のクライアント企業には、プレスメーカーなどの金型内製部門や売り型メーカー、部品加工メーカーなどがあるが、この中で、特に金型内製部門において、「いくらで作るか」という意識が弱い傾向が見受けられることがある。
極端な事例では、マシニング加工において、ほとんど超硬製の工具を使用せず、ハイスエンドミルやハイスドリルを使い続け、例えば本来10時間で済む加工を100時間近くかけているといったケースも見られる。
一方、マシニングセンターや放電加工機などを扱う、単品・小ロットの部品加工メーカーでは、逆にこの意識が強い場合がある。
これは、一点一点の部品の値段が現場に知らされていることがあるため、自然とコスト意識が働くことが考えられる。
「いくらで作るか」意識を持つことの重要性
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