労働分配率を使って現場スタッフを動かす―頑張るポイントを示す(型技術2022年5月号掲載)

労働分配率を使って現場スタッフを動かす―頑張るポイントを示す(型技術2022年5月号掲載)

筆者は「労働分配率」の数値と計算式を利用して、製造部門の方々に、今何がどう悪くて、何を頑張ってもらわないといけないのか理解してもらうようにしている。

下図を見ていただきたい。これは分数による労働分配率の計算と、その主要な内訳、分母分子の関係を表している。

労働分配率の計算と分母分子の関係図

大まかに言うと、製造部門が今の給料を維持したいのであれば、何らか労働分配率が良くなる(数値が下がる)取り組みをせざるを得ないということである。

年齢やスキルに応じて給料を増やしていきたいということであれば、それ以上に分母の数値が増える何らかの取り組みを行っていかざるを得ない。

仮に以前良かった頃の労働分配率を取り返そうとした場合、分母の数値が変わらないのであれば、分子側の給料を減らすことを考えなければいけないこともあり得るが、これは働く人の労働条件が悪くなることなので合意なしにはできないうえ、労働意欲に強い悪影響を及ぼしてしまう。

したがって経営者側も労働者側も、いずれにおいても分母側の数値で何とかしなければならないというわけである。

では図中にある①と②の関係性をそれぞれ見ていきたい。

①総人件費と売上の関係

まず購入費や外注費で対応できない場合、つまり売上を増やす取り組みで、分母を増やす取り組みを行わなければならない場合を考える。

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