【ストーリーで学ぶ!金型・部品加工業の管理職の育成ルーム】 第5話 リーダーに必要な素養とは?(2)利他の精神

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第5話 リーダーに必要な素養とは?【利他の精神】

今回の「リーダーに必要な素養とは?」テーマは、「利他の精神」です。

この言葉をインターネットで調べると、「相手や他人の利益・メリットを優先し、自分の損失を顧みず、自らを捧げる考え方」などと出てきます。

実際は会社で働くうえで、ここまでの自己犠牲の精神は必要ないと思いますが、金型メーカーや機械加工メーカーでの管理職・リーダーとして仕事をするうえで、なぜこのような考え方が必要になるのか、事例を交えながらみていきましょう。

良くない事例

まず私がコンサルの現場でよく遭遇する人のタイプが下のイラストのような方です。

良くない事例
良くない事例(Bタイプ)

これは初回診断などで、CAMやマシニング加工などの運用状況を診断させていただく際に出くわすシチュエーションです。

残念ながら半分以上、こういった方が多いのが事実です。まずこちらのようなタイプをBタイプと呼ばせていただきます。

さすがにイラストにあるような「ご自分で勝手に見てもらえますか」とまで言った方はごくわずかですが、このBタイプに多い発言としては、

  • 「いや、充分にできていますので、指摘は必要ないです」
  • 「あ、いや、その時はたまたまそうだっただけで今は問題ありません」
  • 「それは前任者から教えてもらっていないので出来ていないだけです」
  • 「いやそれは前から考えてましたが、たまたまやってなかっただけです」

などがあります。

では次に、望ましい事例を見ていきます。

望ましい事例

望ましい事例
望ましい事例(Aタイプ)

いかがでしょうか。こちらのような方はAタイプと呼ばせていただきます。

先ほどの良くない事例のBタイプと比較すると、何が違うのでしょうか。

こちらのAタイプに多い発言としては、次のようなものがあります。

  • 「とにかく何か一つでも改善点があれば、それが当社の生産性UPのネタになるので、ぜひ言って欲しいです」
  • 「ウチの人間は打たれ強いので、ガンガン指摘して欲しいです」
  • 「これまでウチは井の中の蛙でした。これからは他社に負けない会社にしたいので、ガンガン指摘して欲しいです」
  • 「100点の作業者なんて当然いません。でも何が足りないのか自分たちではわかっていません。ぜひ教えてください。」

AタイプとBタイプは何が違うのか

Aタイプの人は、Bタイプのような「個人評価」が目的ではなく、会社や部門全体としての成果や業績目的となっています。

Aタイプの人の発想は、冒頭で出てきた「利他の精神」に近いものがあります。

もしかすると、コンサルタントに現状をダメ出しされることで、自身の現状での力量は低く評価されるかもしれません。

しかしながら、その現状での力量を打開し、伸びしろを指摘してもらうことで、会社や部門としての業績を上げ、その結果、自分やチームのメンバーに巡り巡って評価や報酬が還元されることを考えています。

逆にBタイプは、会社や部門の業績よりも、自分個人の「現状受けている評価」の方を重要視しています。

また「臭いものには蓋をする」といった傾向があり、Bタイプの方は、改善点や他社と比べた良くない点などについて、なるべく見つからないように隠す行動も見受けられます。

Aタイプの方の傾向としては、逆に「臭いの原因は元から断つ」といったように、隠さずその原因となる改善点をあぶり出してもらい、それを改善していく方を優先する方が多いようです。

まとめ

会社経営の面から考えますと、Bタイプの人は、専門仕事には向くかもしれませんが、管理職やリーダーには向かないと言えます。ともすれば、会社の業績の足を引っ張りかねません。

もしまだ管理職になっていない方で、ご自身がこのBタイプに近いという感覚を持っているようであれば、今からでも遅くありません。ぜひAタイプのような考え方に変わるべきです。

さて、あなたはどちら派でしょうか。

でも時間を割いて、今このコラムを読んでくださっているような方であれば、ほとんどの方が「利他の精神」に近いAタイプであろうと思います。

ぜひ今後もその気持ちを持ち続けてください。

最後に、「納期どおりにモノを作る(仕事をする)」これはある意味、仕事として当たり前のことです。製造業だけでなくどの業種でも同じことが言えます。

しかし、本当に評価をされる人というのは、少しでも一歩でも効率よく品質の良いものを作っていこうと、仕事のやり方を改善したり、自分のスキルを高めていこうと、日々努力している人であると思います。

評価されるべきは、「やって当たり前」のことではなく、皆(チーム)でやっている仕事の環境を、メンバーのひとりとしていかに良くしていくか、こうした取り組みに協力していくことだと思います。

Bタイプの人に多いのは「やって当たり前」のこと、この殻から抜け出ない人が多いです。最低限、納期どおりにモノを作っていれば評価されていると思いこんでいる人です(こういった状況のことを「有能性のわな」と言います)。

逆にAタイプの人は、仕事の本質を理解している人です。

ぜひAタイプの人の気持ちで、皆さんがお仕事されるよう願ってやみません。参考になれば幸いです。

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コラム投稿者

金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054

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