個別受注の一品料理品の納期遅れが蔓延しています。どうしたら良いですか?②

目次

「個別受注の一品料理品の納期遅れが蔓延しています。どうしたら良いですか?」(続き)

今回も前回に引き続き、一品料理品の生産管理の方法をお伝えします。

一品料理品で前倒し生産を行う際のポイントは、「納期で管理をしない」ことです。

その理由は、生産する順番を「納期優先」にすると、稼働率を上げられる日程計画が立てられなくなってしまうためです。

例えば、よく製造現場の掲示板カレンダーに図面を差し込む、いわゆる「差し立て板」による管理をしている会社は、早めに現場に図面が渡っても、納期の日程がまだ先である場合、着手日程は後回しになっていませんか。

この場合、その図面の納期直前に着手しようと思った頃には、すでに別の引き合いがドサッと入ってきて、受注できない・納期が遅れる、といった問題が発生しやすくなってしまいます。

では、この納期がまだ先という仕事は、いつ着手するのが適切なのでしょうか。

これはやみくもに早く着手すれば良いわけではなく、前回ご紹介した「精度の高い工数見積もり」によって、日程計画の中の隙間時間にぴったり当てはめるのです。

例えば、ある部品を7.5時間で加工すると見積ったとします。これを朝から着手する計画を立てた場合には、どんなに先の納期の物であっても、1.5時間や2時間と見積もった仕事がもしあったならば、その7.5時間の仕事の後ろに、その1.5時間もしくは2時間の仕事を入れてください。

1個3.5時間と見積もった部品が3個あったら、それは1日の計画の中に入れてしまい、厳しい方針でいくならば、その後に1時間くらいの仕事を入れてしまうのもアリかもしれません。

私の経験上、3.5時間で見積もった仕事は3時間などで終わるなど、予定を詰めることで早く終わることが多いです。

やはりその後ろに次の仕事が控えているためです。

しかしながら、やはりトラブルは発生します。そんなときは残業で対処します。その日だけはパチンコを我慢していただきましょう。

「じゃ、時間の読めない仕事はどうするんだ?」

これも経験があります。初めてやる仕事、薄肉の切削加工で送り速度を上げられない、加工方向が多く段取り回数が多い、といったような仕事では、正確な見積もり時間を計算しずらい場合もあります。

こんな時は、「引き算」で見積もりをします。

例えば、私の経験上、5軸マシニングでしか加工できない切削部品が過去何度もありました。

これを初めて加工する場合、正確に工数見積もりをするのは困難でした。

この時、私は自問自答しました。

「これはまる3日かかるのか?」・・・いや、そこまではかからないな。

「では、2日半か?2日やっても次の日の午前中くらいまでかかってしまうのか?」

・・・うーん、やっぱりそこまではかからない。

「では、丸2日?」・・・いや、1日とあと半日では辛いと思うが、丸2日まではかからないと思う。初日は朝から着手し、その日、2、3時間残業して、翌日午後15時くらいまでなら終わっているはず。

夜間無人加工もかけられる箇所もあるし。

このように、時間が読めない仕事は「引き算」で工数見積もりを行い、日程計画に当てはめます。

この時、無理に厳しく予定を詰め込む必要はありません。時間が読めなければ、「いくらなんでもここまでなら終わる」という時間で見積もれば良いです。

その工数で毎日の日程計画に当てはめてください。

仮にもし早く終ってしまえばラッキーです。空いた時間ができれば、そこにまた前倒し生産を行うだけです。

もっとも良くないことは、時間が読めないからと言って、日程計画を立てること自体を、工数見積もりをやらなくなってしまうことです。

ある程度、安全をみた計画を立ててみて、もし納期遅延になりそうな部品がありましたら、納期交渉をするなど早めに手を打つことです。これも計画を立てる、前倒し生産を行うことで見えてくることです。

このように、

  1. 精度の高い工数見積もりをする。
  2. その工数(標準時間)で小日程計画を立てる(差し立て)。
  3. どんなに先の納期のものであっても隙間時間に前倒し生産を行う。
  4. 前倒し生産ありきで負荷を平準化する。余力があれば受注を増やす。

これらの手順によって、売上と利益を増やすことができます。

もし御社が、多品種小ロット・一品生産を行う企業でしたら、ぜひ取り組んでみてください。

私はこの方法で稼働率を上げることができ、今もコンサルティングの手法として活用しています。

金型・部品加工業専門コンサルティングからのご案内

「金型メーカー・機械加工業のための自己診断ハンドブック」が発売されました!

自己診断ハンドブックの販売

私がコンサルティングの初回訪問時や、無料診断サービスにおいて、訪問先企業の製造現場で確認する項目を解析付きで紹介しています。

金型メーカーや部品加工メーカーに皆さまに、自社をセルフチェック自己診断)するために使っていただければと思っております。

くわしくはこちらのページからどうぞ。

ホームページの技術コラム本の第3巻が発売されました!

第3巻の表紙

設計部署や製造現場、管理部署にぜひ一冊。

経営者や部長などマネージャー職の方々から、悩める現場リーダーへのプレゼントにも最適です。

くわしくはこちらのページからどうぞ。

オーダーメイドの社内教育マニュアルを作成いたします

当事務所では、企業さま独自の社内教育マニュアル作成代行しております。

サンプルページ_1
サンプルページ_2
サンプルページ_3
  • 研修機関や工作機械メーカーで受ける基礎講習の先の応用的な内容を社内教育マニュアルにしたい
  • 社内の設計や加工ノウハウについて、作業者ごとバラバラでベストな条件での標準化ができていないので何とかしたい
  • 社内のベテランしかできない加工や設計があり、それを引退前に後輩に伝授しなくてはいけない
  • エース社員やベテラン固有の技術をノウハウ化したい
  • 現状男性の職人さんしか対応できない設計やCAMの作業を、女性パート社員さんでも対応できるようマニュアル化と標準化を図りたい

といった様々なご要望を受け付けております。

当事務所では、一定のヒアリングと現状把握をさせていただいたのち、御社の教科書として、今後長きに渡って受け継いでいけるオリジナルの社内マニュアルを代行して作成しております。

詳しくは、こちらのご案内ページからご確認ください。

CAMや設計パソコン用のデスクトップ壁紙を販売いたします

当事務所のコラムを読んでくださっているユーザー様へ、日ごろのご愛顧の感謝を込めて、CAMや設計でお使いになられているパソコン用のデスクトップ壁紙を販売させていただきます。

今回の壁紙は、お忙しい皆さまに、後工程へアウトプットする直前にお使いいただくチェックシートとしてご活用いただけます。

デスクトップ壁紙は、以下の4種類があります。

金型・部品加工業専門コンサルティングの壁紙

詳しくは、こちらのご案内ページからご確認ください。

4コマ漫画ギャラリーを開設しました

コラムページにプロローグとして添付している4コマ漫画を集めたページを開設しました。

4コマ漫画ギャラリー

こちらをクリックすると入れます

コラム投稿者

金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる