金型加工用と部品加工用、それぞれのCAMの違い
素材は6面フライスした材料が多く荒取り加工では切削ボリュームは多い金型加工と、3次元加工は2次元加工の後に行う場合が多く素材形状は何らかの加工形状がついた状態になる部品加工では、CAMに求める機能は違ってくるはずです。
そこで、金型加工と部品加工、それぞれの用途において、CAMに求める機能の違いについてまとめてみました。
そもそも、一般に市販されている3次元CAMは、金型加工用とか部品加工用といったように定義して販売されているわけではありません(中にはそういったソフトもあるかと思います)。
ここで、金型加工用とは、主に自由曲面で構成される金型意匠面を加工するためのCAMで、部品加工用は、主に金型の周辺部品や金型以外の構造部品でも加工できる汎用的な機能を持つCAMのことを想定しています。
加工メーカーが、それぞれのCAMに求めている機能は、次のようなものがあります。
金型加工用のCAMに求める機能
- 素材形状は、6面フライスした材料などシンプルな形状が多く、そのため荒取り加工では切削ボリュームは多い傾向にあり、高効率化と工具の長寿命化を両立させられる機能、例えば局所的な負荷の低減など、高度な荒取り加工パスが要求される。
- ボールエンドミルによる仕上げ加工パスにおいて、加工後に意匠面を磨く場合には、三角パッチの目が浮き出てはいけない、微細なトレランス設定が必要など、仕上がり面品質が重要になる場合がある。
- 小径ボールエンドミルの加工がある場合は、前工具で削り残った領域を参照した加工パスが計算できる「削り残り部加工」は必須である。
- その他、①各荒取り工程後の素材形状を、次行程の加工領域に活用できる機能、②工具の突き出し長さの計算、③工具の突き出し長さごとに加工領域を切り分けられる機能などがある。
部品加工用のCAMに求める機能
- 3次元加工は、2次元加工の後に行う場合が多く、3次元加工を行う前の素材形状は、何らかの加工形状がついた状態になる。そのため、自由度の高い素材定義ができる機能や、素材と工具の干渉を簡単に見つけられる機能が求められる。
- すでに仕上がっている2次元加工が終わっている部位に、3次元加工の工具が触れない加工パスが簡単に作成できることが望ましい。
- 金型用の3次元CAMで使用する工具は、ボールやラジアスエンドミルが主体になるが、部品加工用CAMで使用する工具は、フラットエンドミルや、ドリルやタップなども加わり、汎用的に色々な種類を用いる。このため、2次元と3次元の加工を簡単に併用できる操作性が求められる。
- その他、①ダミー用サーフェース面の簡易なモデリング機能、②2次元から3次元を分け隔てなく使える加工シミュレーション機能などがある。
まとめ
実際には、金型加工用・部品加工用、それぞれに特化して販売されているわけではありませんが、明らかに2次元加工で使うには使いづらく、3次元の曲面加工をメインにしたCAMや、その逆の用途のCAMもあります。
こうした使い分けの適正の良し悪しは、金型や部品加工の製造原価や受注キャパに、じわりじわりと効いてくるので、あながち無視はできません。
しかしながら、特に金型メーカーにおいては、設計工程、例えば、2次元設計なのか3次元設計なのか、また部品図を2次元で作図しているのか、3次元モデルで現場に回しているのかなど、前工程からのプロセスによっても、どのようなCAMの使い分けが望ましいのか変わってくると思います。
ぜひ一度、設計から加工まで、全工程を見渡した中で、改めてCAMのあり方を検討されてみるのもよろしいかと思います。
金型・部品加工業専門コンサルティングからのご案内
ホームページの技術コラム本の第9巻が発売されました!

設計部署や製造現場、管理部署にぜひ一冊。
経営者や部長などマネージャー職の方々から、悩める現場リーダーへのプレゼントにも最適です。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
【動画セミナーDL販売】現場リーダーのための「稼ぐ力」養成講座
大手セミナー会社向けに制作したコンテンツを、安価に一般販売いたします。
金型・機械加工など単品・小ロット品加工の「現場リーダー」向けの動画セミナーです。

- 教材構成:約300ページ分のスライド資料をもとに制作された解説動画
- 学習時間:動画+演習で約6時間(367分)
- 目的:現場リーダーが 数字に強くなり、成果を見える化できる力を養うこと
- 特徴:目標管理・不具合対策を中心に実務直結のスキルを習得
- 形式:動画(mp4)+PDF資料
- 割引:通常価格50,000円 → セット購入で50%OFF:25,000円(税込)
【改善・管理の上級編】セミナー動画が発売中です【お得なDL版あります】

過去に大手セミナー会場で、代表コンサルタントが講師として登壇した内容をZOOMで再収録しました。
内容は、加工や管理における上級コースとなります(基礎知識はすでに持っておられる方向けになります)
動画セミナーですので、いつでも何人でも受講でき、長時間一気に受講する必要もありません。隙間時間を有効に使って受講できます。
お買い求めしやすいダウンロード版もございます。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
【書籍販売中です】経営が厳しい金型メーカーのための本
このホームページに掲載している多くの技術・管理コラムから、経営が厳しい金型メーカーのために、大きな投資に頼らず、意識面や仕事の取り組み方などから改善改革していける方策に関するコラムを集めた本をつくりました。
こちらの書籍を販売しております。内容は、366ページの大ボリュームとなっております。

ぜひ社員の皆さまで読んでいただければと思います。また、金型メーカーを支援される金融機関や公的機関、会計事務所やコンサル会社でお勤めの方々にも、読んでいただければ幸いです。
詳しくはこちらのページからどうぞ。
YouTubeを使った上級セミナーを配信中です

金型メーカー・部品加工メーカーにおける、個別テーマの上級セミナーを配信しております。
YouTubeによる動画配信ですので、ネット環境があればいつでもどこでも視聴できます。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
「金型メーカー・機械加工業のための管理職育成マニュアル」発売中です

当サイトの管理職育成ルームに掲載しているコラムを集めて編集したものになります。
金型メーカーや機械加工メーカーで、新たに管理職になられる方や、すでに管理職としてお仕事をされている方向けに、ストーリー形式で、心構えから具体的に取り組む業務内容まで、幅広くまとめております。
くわしくは、こちらのページからどうぞ。
「金型メーカー・部品加工メーカーにおける処世術」が発売中です
こちらの書籍は、金型メーカーや部品加工メーカーにおいて、国内全体で賃上げの機運が高まる中、勤める会社に貢献しながらも、ご自身の付加価値・市場価値を高めていこうとされる方々の一助になるような内容をお届けすることを目的としています。

「処世術」をテーマにした一般書籍はたくさんありますが、主にホワイトカラー向けのものが多く、金型メーカーや部品加工メーカーのお仕事ですぐに使えるものが少ないと思っています。
一方この本では、金型メーカーや部品加工メーカーの現場「あるある」を題材にしており、そこでお仕事をされる方々に身近なわかりやすい内容にしております。
簡単なワークも掲載していますので、社内研修にもお使いいただけます。
詳しくはこちらのページからどうぞ。
「金型メーカー・機械加工業のための自己診断ハンドブック」が発売されました!

私がコンサルティングの初回訪問時や、無料診断サービスにおいて、訪問先企業の製造現場で確認する項目を解析付きで紹介しています。
金型メーカーや部品加工メーカーに皆さまに、自社をセルフチェック(自己診断)するために使っていただければと思っております。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
2パターンの技術セミナーレジュメを販売いたします

日刊工業新聞社さん主催で行われた、機械加工メーカー向け、金型メーカー向け、それぞれの技術セミナーで配布されたレジュメを販売いたします。どうしても遠方で参加できないといった方や会社さまより、レジュメだけでも使いたいとリクエストがあったためです。
当事務所のホームページに掲載されているコラムの内容がベースとなっておりますが、それとの違いとしては、具体的計算と事例ワークなどを盛り込み、ホームページよりも手厚く解説しております。
本来レジュメと言いますと、図やイラストがほとんどで、言葉による文章が入っていないイメージがありますが、本レジュメはそうではなく、復習がしやすいよう、多くが文章で構成されており、1人で読み進めることができます。
くわしくはこちらのページからどうぞ
ミドルマネジメント層向け人材育成セミナーのレジュメを販売いたします

ミドルマネジメントの人材育成のテーマで、講演をさせていただいた際に作成したレジュメ(当日映写したパワーポイントファイルと同じものです)を販売いたします。
日程や生産管理、品質管理だけが幹部・管理職の仕事ではありません。儲けるためのマネジメントが必要です。
そういった視点や意識を持ってもらうためのきっかけとしてオススメの一冊です。
くわしくはこちらのページからどうぞ。
4コマ漫画ギャラリーを開設しました
コラムページにプロローグとして添付している4コマ漫画を集めたページを開設しました。

こちらをクリックすると入れます

コラム投稿者
金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054
※ 本コラムは、型技術2016年5月号の記事から抜粋・編集しました。