「今さら聞けない」プレス金型の見積もりの効率性と精度について

金型の見積もり精度と効率性

プレス金型メーカーの抱える見積もりの悩み

金型の見積もりを取り巻く現状

近年、金型の受発注においては「事前見積もり」が当たり前になっており、かかった費用を後から請求する「後見積もり」はほとんど見られなくなっています。

そこで金型を受注する前、プレスの製品図を元に金型費を見積もりし、場合によっては同業他社との競合により受注を勝ち取ったうえで、ようやく金型の製作に入るという流れになることが多いと思います。

このため多くの金型メーカーが、煩雑な金型の見積もりにいつも悩まされています。

とり取り扱う金型のボリュームにもよりますが、週に何十件も見積もりをしなくてはいけない担当者もおります。

見積もり金額においては一定の精度が必要であり、企業収益のためには赤字受注にならない金額を見積もらなければなりません。過度に高い見積もりでは、競合他社とのコスト競争に負けてしまうといった事情もあります。

また、過去の類似金型との金額に乖離があってもいけません。そうした乖離は継続的な顧客との信頼関係にも影響が出てしまいます。

そこで計算した見積もり金額と過去の実績との入念な比較検証なども必要になります。

金型の見積もりのあり方

そもそも「金型の見積もり」とは、プレス製品からその生産ツールである金型になった状態を予測し、その金額を積算する作業を指します。

したがって、最も精度の高い「金型の見積もり」とは、完全に金型になった状態から、材料費・外注費・購入部品費・工賃などを合計した金額であると言え、また最も迅速な見積もりとは、プレス製品図だけの情報から金型状態を予測し、見積もり金額を出すことになります。

図2 見積もり精度と要する時間の関係

金型の見積もりで用いられている方法

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