【今さら聞けない】不良トラブルの発生確率、どのくらいで考えてます?

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【今さら聞けない】不良トラブルの発生確率、どのくらいで考えてます?

今回のテーマは、主にマシニング加工を題材として、発生してしまった加工トラブルについての統計的な話しではなく、起こるかもしれない加工トラブルに対し、どのくらいの発生確率で考えているか、その発生確率に対してどのような対策をとっているか、そういった内容についてとりあげます。

具体的な内容として、スローアウェイカッターを夜間の無人運転の加工に使用するかどうかという事例において、前述したような加工トラブルの発生確率に対し、どのような対応をとるのかについてまとめてみました。

まず、多くの金型メーカーや単品部品加工業で使われているスローアウェイカッターですが、例えば夜勤などがない場合、夕方に次のワークの段取りをして、大荒取りのためにチップ交換式のスローアウェイカッターの加工を仕掛けて、そのまま「お疲れ様~」と、無人加工として帰宅しますでしょうか。

私の経験も含め、これまで見てきたケースでは、

  1. 午後から夜間無人加工用のワークの段取りを行い、大荒取りのスローアウェイ加工を夕方前くらいからはじめ、スローアウェイカッターの加工が終わったところを見届けてから帰宅する(大荒取り加工の時間によって仕掛かり時間は前後する)。
  2. 大荒取り加工がタイミング的に、どうしても夜間の無人加工になってしまう場合は、スローアウェイカッターではなく、ソリッドエンドミルを使ったCAMデータに変更する。

このような対応がとられています。

私が金型メーカーで加工をしていたときも、このような対応をとっていました。

ところが、まれに夜間の無人加工であっても、臆せずスローアウェイカッターでの大荒取り加工をしかけて帰宅する金型メーカーもあります(私が見た中では非常にレアケースですが)。

たしかにこういった金型メーカーでも、スローアウェイカッターのチップが飛んでしまい、本体がワークに溶け込んでしまうようなトラブルは発生しているのですが、頻繁ではなく、加工条件を落としたり、切り込み量を調整したり、一回の使用時間を制限する、などを行うことで、年に1、2回も起こるか起こらないかくらいまで、トラブルを抑制しています。

(なお、スローアウェイカッターの用途として、ソリッドエンドミルよりも高能率かつ、高い切削排出量を得るために使用するものだと思いますので、そもそも条件を落としたり、切り込み量を減らすことが本来の目的から逸脱しないよう留意する必要はあると思います)

ではなぜ、多くの金型メーカーや単品部品加工業では、ほとんど無人加工では使用していないのか、その違いについて考えてみたいと思います。

ワークや機械本体へのダメージが大きい加工トラブルは、10年に1回でも避ける

まさにこの小見出しのタイトルどおりのことですが、スローアウェイカッターを夜間の無人運転の加工に使用しない金型メーカーや部品加工業においては、仮に10年に1回の頻度であっても、摩耗によりチップがとんで、スローアウェイ本体が溶けてしまうような加工トラブルは、絶対に発生させたくないと考えていると思われます。

一方、スローアウェイカッターによる夜間加工をしかけている加工者の場合は、そこまでの頻度までは考えていないと捉えることができます。もちろん手を抜いているのではなく、前述したように、加工条件を落としたり、切り込み量を減らすなどの調整をして、限界まで加工トラブルが発生しないよう工夫をしています。

この点について、どちらが正しいと定義できるものではありませんが、夜間無人加工に使用しないメーカーは、前述した①②の対応のように、差し立てやCAMデータにひと手間かけても、絶対に機械ダメージやワークがオシャカになるような加工トラブルは発生させたくないという想いの表れだと思います。

私の以前のコラム、「材料がもし一千万円したら」に加工トラブルへの対応のさじ加減について書いたことがありますが、不具合対策は、想定される逸失金額によって、とられる処置が変わってきます。

したがって、安価な小物ワークしか加工しない・古いマシニングセンターでしか荒取り加工は行わない・機械へのダメージの少ない小径スローアウェイカッターしか使用しない、などの状況によっては、夜間の無人加工でスローアウェイカッターを使用し、もし加工トラブルが発生したとしても、その抵抗感は小さいかもしれません。

最後になりますが、もし夜間の無人加工にやむを得ずスローアウェイカッターを使用している理由が、前述した①②の対応を取るための、差し立てやCAMオペレーションのスキルの問題だとしたら、「そこは何とかしましょ」とは言いたいです。

私自身、仕事のため、CAMソフトや解析ソフトを自費で何百万円を支払って購入していますのでそう思うのですが、少なからず高価な購入設備や工具は、できる限り大事に大事に扱いたいと思いますので。

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金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054

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