「勝利の方程式」は社内で共有されていますか?
先日ある成形メーカーの金型部門が空中分解してしまいました。具体的には、金型課の作業者及びその課長が全員離職してしまったということです。
原因は、経営者と現場との意思・ベクトル合わせがうまくいっていなかったことのようです。その会社には経営コンサルタントとして大手工具メーカーOBの方が入っていました。
私は、この会社の失敗は、会社ごとに必要となる「勝利の方程式」の共有がなされていなかったことにあると思っています。
「勝利の方程式」とは
金型メーカーや部品加工業においては、管理のオペレーションよりも、まずは勝利の方程式とも言える「自社固有の儲かる仕組み」を、経営者と社員で共有することが何より大事だと思っています。
自社固有の儲かる仕組みを考える場合、①短期の売上を営業活動で増やしていける会社、②内示等により注文が入るため自社の営業活動では売上をコントロールすることができない会社、それぞれの2つの会社のパターンに分けて考えることがあります。
「内示等により注文が入るため自社の営業活動では売上をコントロールすることができない」のであれば、できる限り、出ていくお金(人件費と外注費)を抑え、そのうえで納期と要求品質を確保していく努力が「勝利の方程式」となります。
一方、都度「短期の売上を日々の営業活動で増やしていける」のであれば、製造部門はできる限り、最短のリードタイムで仕事をこなすなど、次の受注のための余力を作り、次々と新規の案件を受注していくことが「勝利の方程式」となります。
自社の「勝利の方程式」はどちらになるのか、これを見極め、それを社員と共有し、細かな方策・手段はトップダウンでの指示であったりボトムアップで提案されたりする、こうした「当社は何に頑張るのか」のベクトル合わせが行われないと、 個々の社員がバラバラな頑張りをすることになってしまいます。
この空中分解してしまった会社の場合、4、5か月間のある特定期間に集中する金型調達において、顧客からの支払いタイミングが数年後になるなど資金不足が発生してしまうため、「勝利の方程式」は、この特定集中期間に金型の内製が何面できるかと、それに伴い外注への支払いをできる限り減らすことでした。
「勝利の方程式」の例
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