金型・部品加工現場における働き方改革とワークライフバランスの誤解
今回は、働き方改革とワークライフバランスについてお話ししたいと思います。
最近、働き方改革やワークライフバランスという言葉をよく聞きます。
政府や企業が推進している取り組みで、残業時間の削減や休日の確保など、労働者の健康や生活の質を向上させることを目的としています。これはもちろん素晴らしいことだと思いますが、一方で、この言葉に対する誤解や乱用も見られることがあります。
ワークライフバランスとは自分だけが定時に帰ることではない
例えば、自分だけが定時に帰ることをワークライフバランスだと思っている人がいます。しかし、これはワークライフバランスとは言えないと思います。なぜなら、金型メーカーや部品加工メーカーの現場では、残業時間に個人差が生じるためです。
金型や機械加工の現場では、近年、分業体制をとるのが一般的になっています。部品製作においては、多くの工程を経て作られます。設計・CAM・機械加工・研磨・組立・トライ・検査などです。
これらの工程は連携して行われますが、それぞれに難易度や工数、手間やリスクが異なってきます。また、予期せぬトラブルや修正も発生します。そのため、残業時間は工程や日によって変わってきます。
そういった現場で、仲間や他工程の状況を無視して、特定の人だけが一方的に定時に帰ることは、チームワークに欠ける行為になる場合があります。
自分だけの仕事が終わったからといって、同じ工程で作業する人や、他の工程に協力しないで帰ることは、現場全体の生産性に影響します。また、同僚や上司からの信頼も失う可能性があります。
チームみんなで早く帰れるよう改善改革をすることがワークライフバランス
ワークライフバランスとは、自分だけが早く帰るのではなく、チーム全体で残業時間を減らし、充実した生活を送ることです。
チームみんなで早く帰れるよう色々な改善改革をしていく活動のことです。そのためには、以下のような取り組みが必要だと思います。
- 少なくとも同じ工程で作業する者同士で、負荷状況を把握する。
- 自分以外の作業者にも積極的に協力する風土を醸成する。また、その度合いを評価の対象にする。
- 技能が未熟で他の人に協力することができず早く帰る人には、「やることがなくなったから帰る」ではなく「やれることがなくなったから帰っている」ことを理解してもらい、早くスキルを習得してもらう。
これらのことを実践すれば、結果、現場全体の生産性向上に寄与すると共に、特定の人に負荷が集中していた状況を分散することで、職場全体の残業時間も減らすことにも繋がります。そして、チームみんなでワークライフバランスを実現できます。
働き方改革とワークライフバランスはチームプレー
働き方改革やワークライフバランスは、個人プレーではなく、チームプレーです。いかに「チーム全体の生産性」に協力していくかが重要です。
現場でお仕事をする方々は一人ではなく、一緒に働く仲間です。仲間を思いやり、助け合い、全員で成長していくことが、理想の現場だと思います(とは言え、なかなか理想どおりにはいかないと思います)。
御社の現場はいかがでしょうか。
このコラムを読んでくださっているような仕事熱心な方に、仲間を置いて先に帰るような方はおられないと思いますが、職場の生産性を良くするために、参考になれば幸いです。
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コラム投稿者
金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054
