金型メーカー・機械加工業のコスト構造と原価計算のやり方
今回は、金型メーカーや機械加工業におけるコストの構造と原価計算のやり方、またコスト削減方法などをみていきます。
機械加工業の方で、材料費や購入品費が関係ないという場合は、「工賃」の項目を中心にご覧ください。
まず、おおまかに金型のコストは下図のような構造になっています。

では、これらを順にみていきたいと思います。
材料費とは
主に、金型で使用する鋼材を購入する費用になります。
鋼材メーカーから専門商社などを経て、購入することが多く、SS400、S50C、SK105(旧SK3)、ダイス鋼など、それぞれkgあたりの単価で設定され、そのkg単価が材料ごと、またメーカーごとに異なります。
ここ最近は、黒皮仕様で購入するのではなく、フライス加工された状態で購入することが多く、一般的にはそのフライス加工費も上乗せされています。
購入品費とは
株式会社ミスミグループ(通称「ミスミ」)の市販部品などを購入する費用を指すことが多いです。もちろん大手、ローカルメーカー含め、他にも部品メーカーはたくさんあります。
一般的に規格部品は、社内で自作するより購入した方が安い場合が多いです。これをスケールメリット効果と言います。
外注費とは
主に、社内生産がオーバーフローしたとき、外注業者に依頼した場合に支払う費用を言います。
その他にも、社内の機械では対応できない部品を外注することもあります。
ここ最近よく使われるコーティング費用も、この外注費に含みます。
主な外注パターンとして、①金型そのものの製作を依頼する、②構成部品の加工を依頼するといった2つがあります。
その他、経費の内訳
これは、工場運営にかかわる経費を指します。例えば、電力費や水道代、工場家賃などがあります。
また、製造のための経費として、工具やツーリング、消耗品なども含みます。
消耗品には、機械油、タッピングペースト、軍手、その他諸々あります。
工賃とは
工賃には、下図のように、作業者の工賃と、機械加工の工賃があります。

工賃は、材料費や購入品費、外注費などのように、工番により金型ごとに費用を紐づけできないため、金型や部品ごとにかかる工数で按分します。
そのため、時間あたりの原価を使い、これをチャージとかレートなどと言います。
工賃計算のやり方
工賃の計算は、下図のように計算します。
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