3つのチャージを活用した儲けるための現場コントロール
今回は、私が生産管理面のコンサルティングをする際に、最も重視する3つのチャージの使い方について解説します。
一般的なチャージ計算においては、3種類に分けて行うことはしないと思いますが、私は会社が儲けていく、そのために人や機械に効率よくお仕事をしてもらうために、これら3つのチャージを日々の日程計画の中でうまく活用する必要があると考えています。
まず3つのチャージとは何か? 過去に当サイトのコラムでも解説しましたが、
- 売値のチャージ
- 原価のチャージ
- 実績のチャージ
の3つになります。
特に③の実績のチャージについては、この数値を使って、仕事の案件ごとの評価を行っているという会社は多いですよね。
しかしながら、私がコンサルティングした会社以外で、日々の計画の段階にて、①②③全てのチャージを使って「儲けるための現場コントロール」まで行っているという会社は、一体何社あるでしょうか。
今回は、その3つのチャージを使った「儲けるための現場コントロール」について解説したいと思います。
それでは、それぞれの意味からおさらいしていきましょう。
①売値チャージの意味
まずは売値チャージの意味と使い方です。
このチャージの意味は「時間あたりにお客さんからもらえる単価」となります。
部品加工メーカーや金型メーカーの例で言えば、見積もり書を作る際に使う、1時間あたりに設定している金額です。
よく使われているのは、4,000円とか5,000円、高価な機械を用いる場合は、1万円などが使われています。
前述した過去のコラムでは、そもそもこの4,000円とか5,000円の設定の仕方について解説しました(年間目標売上から逆算する)。
また私は単品加工だけでなく、量産メーカーのコンサルティングも行うことがあるのですが、こうしたメーカーの場合は、分あたりの時間単価や、1個あたりの単価が、お客さんから指定されており、自社の思惑によって時間単価を設定することができないため、こうしたメーカーの場合は、日程計画で設定した時間あたりの製作数量によって、お客さんからもらえる時間単価、つまり売値チャージが決まってくることになります。
②原価チャージの意味
次は原価チャージの意味と使い方です。
原価チャージの意味は、「時間あたりにかかっている社内コスト」になります。
シンプルに考えると、材料費や外注費など、仕事の案件ごとに紐づく費用は省き、人件費や機械償却費、リース料や電気代、家賃などの経費について、直近の実績時間などで除して時間あたりに按分します。
この数字の意味としては、この単価が自社のビジネスとしてかかっている時間あたりコストそのものですので、お客さんからもらえる時間単価が原価チャージよりも少なくなってしまった場合、単純に赤字になるということになります。
③実績チャージの意味
最後は実績チャージですが、この意味は「結果としての時間あたりにもらえることになる時間単価」となります。
例えば、加工にかかる時間を10時間と見積もり、売値チャージを5,000円と設定して、5万円で受注した機械加工のお仕事について、
売値チャージ5,000円×見積もり時間10時間=受注金額5万円
もし見積もり時間よりも早く仕事が終わり、仮に半分の時間で終わったとしたら、この場合の実績チャージは、1万円になります。
受注金額5万円÷5時間=実績チャージ1万円
この場合は、売値チャージよりも実績チャージが多くなり、儲かったという事例になります。
この実績チャージは、仕事が終わった後に使うもので、結果としていくらの時間単価になったのかを見るものになります。
それぞれを組み合わせて使う
さて、私のコンサルティングでは、それぞれを単独で選んで使うのではなく、これらを組み合わせて日々の日程計画に用います。
具体的には、次のような組み合わせがあります。
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