加工現場のエースになるための7つの心構え

加工現場のエースになるための心構え

加工現場のエースになるための心得とは

金型メーカーや部品加工メーカーの加工現場には、いわゆる「エース」と呼ばれる生産性の高い作業者が、1人や2人いたりします。

加工現場の人員は、このエースと呼ばれる人と、普通もしくはそれよりも生産性が劣る一般的な社員から成り立っておりますが、管理職の人や経営者さんとしては、できるだけ多くのエース社員を増やしたいと思っていると思います。

では一体どこからエース社員と一般社員の能力差がついてくるのでしょうか。

もちろん高い生産性を発揮するためには、それなりの知識と技能を兼ね備えなければいけませんが、そもそもそういったものを持とうとするモチベーションはどこから湧いてくるのか、今回はその心根の部分に触れていきたいと思います。

ではここからエース社員さんが持っている、もしくは持つべき考え方、心得について順に見ていきたいと思います。

今ここにいる全員がいなくなってもモノづくりができる準備をしている

まずこれは私自身の経験に基づくものです。

例えば加工現場では、ワイヤーカットやマシニングセンター、研削加工機、CAD/CAMなど、様々な仕事がありますが、いつまでもその他大勢の中の1人で大丈夫だと考えている人と、

もし仮にこの現場のいる人たちが急にいなくなり、最悪1人になってしまっても、何とかモノづくりが継続できるように、知識と技能を備えておこうと考えている人とでは、仕事へのモチベーションに大きな差が開いてきます。

前者はいわゆるコバンザメのようなタイプで、無理難題に当たっても、何かと人に頼りがちな傾向があります。

こういったタイプはもちろんエースになる日はなかなか訪れません。

一方、後者のような「いざとなったら自分がやる」というタイプは、そのいざという時のために、積極的に必要となる知識・技能を得ようとしています。

その結果、高い生産性でモノづくりができる人になりやすい傾向があると思います。

「あの仕事はやってくれる人がいるから自分はいいや」こういった考えでは、加工現場のエースは目指せません。

まずは一つ目として、「いつでも自分ができるように備えておく」という心構えができているかどうか、これは大きなポイントだと思います。

次は違う方法でやってみる

これは量産部品の加工と言うよりは、単品や小ロットの部品加工で必要になる考え方です。

一度やった加工で、工程や使用した工具などについて、次に再度加工するときには方法を変えてみると言うことです。

何のためか、それはやはりコスト削減・リードタイム短縮のためです。

これも当たり前と言えば、当たり前のことなのですが、意外に多くの人がこの考えでモノづくりができていません。

私がまだ現役の加工者だったときのことです。ある部下に単品部品の加工を手ほどきして、それが無事に終わり、数日経って再度リピート受注し、再製作することになったときのことです。

「前と同じ方法でいいっすよね?」

部下は私にこう尋ね、当たり前のように前回やった方法で加工しようとしていました。

もちろん量産加工では、品質管理の面から一度取り決めた加工方法は、勝手に現場で変更してよいというものではありません。

しかし単品部品加工の現場では、ほとんどが加工者にその方法は一任されています。

また加工順序や使用する工具も、一度行った方法は一例にすぎず、選択肢は沢山あります。

  • 荒取り加工面は仕上げ後の表面には表れません。変形・歪みの起きない範囲で、もっと効率化できないか?
  • 仕上げ面はきれい過ぎないか?図面指示からすればもっと送りピッチ・送り条件を上げられないか?
  • 段取り回数はもっと減らせないか?一回の掴みでもっと加工部位を増やせないか?

エースと呼ばれるような人は、毎回このようなことを考えていたりします。

もちろん難易度の高い加工品では、速さ・効率性よりも、確実性・精度・正確さで「今よりもっと」を考えています。

「前と同じでいいっすよね?」この考えでは、加工現場のエースは目指せません。

ぜひ「いつもいろんな選択肢を考えている」エースを目指しましょう。

見積もりができて初めて一人前

これも昔からこの業界ではよく言われることです。

図面どおりのものが何とかできるようになった、でも時間はどれだけかかるかわからない。

これでは、一人前とは言えません。

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