【現場のトラブル事例】細かいルールを整備しない方針のその先はどうなるか?
最近、私の周りの金型メーカーや部品加工メーカーの現場では、若手後継者の方針などにより、あまり細かなルールを整備せず、自由な社風でノビノビとやらせたいといった方針をとる会社が多くなっています。
たしかにそれでしたら、仮に私自身が入社した場合を想像してみても、細かく縛られなくて済むというのはある意味魅力的なところもあります。この方針は、採用面でも効果を発揮しそうです。
ところが一方、その副作用ともとれる様々な弊害も現場には見受けられており、いくらか細かなトラブルも発生しているようです。
例えば、私がお手伝いしている会社では、次のような問題が出ていました。
- 金型の組付け作業で、部品の向きを反対に取り付けるなどのポカミスが頻発している。
- 上記のような些細なきっかけによるミス(損害ダメージは大きいですが)に対して、上司が強い注意・叱責ができない。
- 各工程の関所(責任区分)が曖昧になる。例えば、部品にあるC面取りなどの加工が、機械加工なのかハンドワークなのか、どちらの工程で行うべきなのかはっきりせず、押し付け合いになることもある。
- モノがよく紛失する。
- 善良(ミスをしない丁寧な)な市民(社員)が、ポカミスのフォローに追われ、不公平感が出ている。
- うまく手を抜く(要領がよい)人が楽をすることがある。
等々です。
たしかにこれら事例企業のうち、とある社長の口癖は「ウチに悪い人間はいない」「ペナルティを前提としたルールは必要ない」といったものであって、たしかに悪意を持ってわざとミスをし、会社に損害をもたらそうと考える人はそうそういないと思います。
仮にもし、そういう人がいたとしたら、それはさすがに淘汰されていくことになると思います。
ですが、そういった故意の悪意ある損害が頻出するというよりも、善良な人かどうかは別として、先ほど挙げた事例のように、ちょっとしたきっかけの(結果大ごとになることもある)ポカミスが頻発して目立つといった現象は、私が知る限り、ルールを整備しないという方針の会社に共通して表れている問題というのが私の所感です。
したがって、細かなルールを整備しないことの一番の副作用は、
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