【経営者・管理職向け】現場は謎のベールで包まれている??

目次

現場は謎のベールで包まれている

今回のタイトル、意味深になってしまいましたが、「現場は謎のベールで包まれている」とはいったい何でしょう?

内容としてはぜひ経営者さんか、加工現場の部下を持つ管理者の方に読んでいただきたい内容です。

きっかけになったある現場の問題

現場は謎のベールで包まれている」は、私がコンサルティングのため、マシニング加工の現場を見させてもらった時に、実際にあったエピソードから思ったことです。

これは数年前、ある社長さんの都合で廃業されてしまった会社さんのことです(ですから書かせていただきました)。

その会社のマシニング加工の現場では、ある小物部品のミーリング加工にて、仕上げ専用に使っているマシニングセンターがありました。

そのマシニングセンターは、いつも予定がいっぱいでパンク状態であり、社長さんとしては仕事を今以上に多くとって売上を増やしたいが、その仕上げ用の機械がいつも一杯になっているため、新たな受注をとることができないという状況でした。

そこで私に相談があったのですが、その会社では他にマシニングセンターが無いかというと、旧型になるのですが、他に数台小型のマシニングセンターがありました。

その機械は使えないかと質問すると、ボールねじの精度が劣化しており、仕上げ加工での寸法精度が出せないとのことでした。

メインで加工している小物部品の平均の加工時間を聞くと、3時間弱でしたので、±0.01ミリの仕上がり精度が必要になる仕上げ加工は無理だとしても、荒取り加工だけでも旧型のマシニングセンターで対応できないか提案しました。

その旧型のマシニングセンターの稼働率は30%もいっていないとのことでしたので、この提案は新たな段取り工数は発生するものの、作業者の工数について新たに雇用するなど追加の固定費を発生させなければ、全く損益に影響を与えず実行できる対策でした。

ところがその対策をやりはじめた途端、以前は旧型のマシニングセンターでは寸法精度が出せないと言っていた担当者から、実はこの旧型の機械でも仕上げ加工はできるようになったとのことで、結局2台以上の機械で仕上げ加工ができることになり、結果対応できる小物部品の量は増えました。

「めでたしめでたし」となるのかもしれませんが、経営者さんからすると、精度が出ないから使えなかったと言っていた数年に渡る期間の売上は埋没していたことになり、一担当者の判断では済まない経営上の大きな問題だと言えます。

実際は特に特殊な加工方法を採用したため、旧型のマシニングセンターで寸法精度が出せるようになったというわけではありません。結果だけ見ると、2台以上の機械を一人で回すのは大変だと担当者が判断し、旧型の機械をそのような精度が劣化した状態だと扱ったのかもしれません。

これは経営者や管理者からすると「現場は全く謎のベールに包まれている」となります。

また、このようなこともありました。

この担当者さんは仕上げ専用のマシニングセンターのデータは、ある3次元CAMを使っていたのですが、とある部品については「使っているそのCAMでは対応できない形状」「パスの演算ができない形状」と会社としてはずっと対応を見送っていました。

ところがこれも、私が別のCAMではありますが加工データを作ってみたところ、実際には特殊な形状でもなんでもなく、セオリー通りの設定をすれば、問題なくパスが演算される形状でした。

これをその担当者さんに伝えたところ、「あ、やっぱり出来ました」とのことでした。

これについても、経営者や管理者からすると「現場は全く謎のベールに包まれている」と感じると思います。

「一体、あのウチの設備やソフトでは対応できないといっていた期間は何だったんだ」と思うと思います。

このように、加工現場には技術の中身がわからないと、全く謎のベールに包まれたままの不思議なことがたくさんあると思います。

こんなこともありました。

先ほどの会社さんとは別の会社さんなのですが、その会社での取り組みで、社員さんの残業をできるだけ減らしたいという相談があったのですが、溶接製缶品のリピート品の切削加工を行っている横型マシニングセンターだけ、どうしても残業が減らないという問題がありました。

これも実際の加工の状況を確認したところ、生活のためにどうしても残業をやりたいという担当者さんが、ちょうど17時に夜に自動無人で仕掛ける段取りが終わってしまわないよう、昼間の有人加工の送り速度を意図的に遅くしていることが分かりました。

結局その担当者さんには、適度な残業をやってもらえるよう他の業務を追加で依頼することで、送り速度を下げるといった不効率なことはやめてもらいましたが、これも経営者や管理職の方からすると、全く謎のベールに包まれた表面的には見えないムダなロスコストです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。これを読んでいただいている御社でも同じようなことは起こっていないでしょうか。

つまるところ、経営者さんや管理者さんのような、会社の損益の責任を負っているような立場の方が、こうした技術的なところを見抜けるかどうかだと思います。

ぜひ経営者さんや加工現場の部下を持つ管理職の方に、こうした謎のベールを解き明かせる目とヒアリング力を持っていただきたいと思っています。

もし難しいようでしたら、私のような外部の専門コンサルタントをご活用いただければと思います。

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