【今さら聞けない】分業化時代に適したスキルマップとは?
今回のテーマであるスキルマップですが、製造業の現場においては、ほぼ当たり前のように必要だと言われています。しかし金型メーカーや単品部品加工業において、10年、いや20年以上前の、個人の技能が主体だった時代のスキルマップと、昨今の各オペレーターに分業化された製造現場においては、同じスタイルのスキルマップで良いのでしょうか。
結論から言いますと、私は同じではないと思っています。
そもそも個人技能主体だった頃、例えば、フライス作業やマシニング作業を例にとると、自分で図面を見ながら段取りや加工プログラムを考え、工具なども自分で選び、最後の測定まで自分1人で行っていました。
そうなると当然個人差ができ、加工の速さ及び、正確性などについて差や個性が出てくるというわけです。
しかし、CAMデータ作成や機械段取り、最終測定などが分業化された今現在、この個人差や個性はあっていいものでしょうか?
当然良くないですよね。
点数評価が適するのか?
スキルマップの各項目での点数評価としてつけられる「〇〇作業ができる」などの表現についても、以前の評価は、応用力・創造力を含めた意味での「できる・できない」であったと思いますが、今現在のあるべきスキルマップにおいては、しっかりと標準化され、個人差のない手順においての「できる・できない」で評価されるべきかと思います。
逆にこれを行わないと、品質や能率にばらつきを生んでしまうことになりかねません。
そういった意味では、そもそも「点数」評価ということ自体が、分業化時代のスキルマップには適さないかもしれません。
例えば、前述したキーワードで、「段取り」作業においては、従来は、まわりのメンバーが「へぇ」と感心するような段取り方法を思いつくとか、「加工プログラム」においては、人一倍打ち込みが早いとか、サブプロ構成やパラメーター調整まで詳しいとか、「工具選定」においても、まわりのメンバーが「あ、その工具で仕上げまでやっちゃうんだ!」などと驚くような使い方・加工条件まで知っているなど、従来の評価では、むしろ個人差があることが高い評価となっていた傾向がありました。
しかし昨今の分業化時代で、このような個人差があると、例えば、Aさんの作ったCAMデータは、使用する工具が多い・ドリル径も独特とか、Bさんの作ったCAMデータは、慎重すぎるため加工時間が長く、昼間にかけられるものが少ない、などといった悪影響が際立ってしまい、後工程である機械オペレーターの混乱や迷惑につながってしまいます。
まずは自社の「当たり前」「通常のやり方」を整備することが先決
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