会社で指示された新しい機械やソフトの習得。忙しくて時間が取れない、どうする?
今回のコラムのテーマについてですが、私が普段コンサルティングしている中で、現場の方々に色々と新しいことに取組んでいただくことがあります。
例えば、これまでに担当していなかった機械を新たに覚えてもらったり、扱ったことのないCAD/CAMの操作を習得してもらったり、といったことです。
どれも最初は大変ですが、多能工化によってリードタイムを短縮したり、出来高を増やしたり、分業化による手離れや生産性をUPさせるといった目的があります。
私はコンサルタントとして、企業や部門が求める成果のために、その手段となる体制づくりの提案や実現のためのサポートを行っているわけですが、いざ取り組もうとすると、そつなく進めていただける会社さんと、なかなか取り組んでもらえない会社さんとに分かれます。
新しい機械やCAD/CAMの習得になかなか取り組んでもらえない職場の方々の言い分としては、これを読んでくださっている方々には容易に想像がつくかとは思いますが、やはりその時間が取れないという理由です。
そういった方々に私がするお話しとしては、以前コラムに書いたかもしれませんが、「いずれ大きく時間が空いたら取り組もう」と思っていても、せわしく生きている忙しい現代人には永遠にそのような時間は来ませんということです。
細切れ隙間時間の有効活用
ですから、忙しくしている合間の細切れ隙間時間をいかに有効に活用して勉強・学習していくか、これしかありませんと。
したがって「さ、15分空いたけど、今から何をやろうかな?」・・・これではその15分は絶対に活かすことはできません。
「空いた時間ができたらこれとこれをやって、それが終わったら次はこれをやっていこう」などといったように、事前に構想を練っておかないと、ほんのちょっとの隙間時間を速やかに有効に使うことはできません。すぐその時間はつぶれてしまいます。
つまりマネジメント能力の問題です。
もちろん新しい機械やソフトの習得は、まとまった時間で一気にやった方がいいに決まっています。
ですが、特にコンサルタントが入っているプロジェクトの期間中などは、「まとまった時間ができたらやる」など悠長なことを言っていると、いつまで経っても物事は進みません。
やはり、細切れ隙間時間を使ってコツコツ進めるしかないのです。
私はそれを証明するために、よく企業さんからマシニングセンターやCAD/CAMのマニュアル本を借りてきます。
そして借りたら、それをきっちり毎朝5分で読んでいきます。
すると、大抵1か月も経たないうちに、必要な部分を読み終わることができます。
返却する時、毎日5分でいいので読むのは難しいでしょうか?とお伺いするというわけです。
実際は、お腹が痛くなってトイレに駆け込めば、すぐ10分とか経ってしまいますが、こういった時間ですら絶対に取れないというわけはないと思いますので、毎日5分程度でしたらその勉強時間は必ず作れるはずです。
学生さんの夏休みの宿題に例えると・・・
新しい機械やソフトの習得、仮に学生さんの夏休みの宿題に例えた場合、もちろん休みがはじまってすぐにまとめて一気に片づけてしまえるのであれば、もちろんそれが一番だと思います。
会社の技術習得で言えば、本業の仕事がしばらく空いているのであれば、まとまった時間ができたということになりますので、速やかに習得して、本来の目的である多能工化や分業化の成果を少しずつでも追い求めていくべきです。
ですが他にもやりたいこと、やらなければいけないことがあって、
例えば学生さんでしたら宿題以外の受験勉強や趣味、友達と遊びに行くことや、
金型メーカーや部品加工メーカーでお仕事される方々でしたら、これはもちろん本業でのお仕事になりますが、このためにまとまった時間を作るのが難しいということであれば、やはり細切れの隙間時間を使って、毎日コツコツ習得していくのが正解だと思います。
そしてやってはいけないのが、期限間近にまとめてやろうという考え方です。夏休みの宿題であれば、8月の最終週とか最終日間際になってからやろうという考え方です。
理由は、そのときに他にやりたいことができても、両立させられないためです。逆に宿題よりもっと大事な用事ができたとしても、すでにどうすることもできません。
これは金型メーカーや部品加工メーカーのお仕事で言うと、本業の仕事がドッカと入ってきても、この日までに習得しておくようにと厳命されていたら、もはや本業の仕事をほっぽり出してでも技術習得の方を着手しなければなりません。
ですが、現実問題としてそのようなことできるはずもなく、結果、新たな機械やソフトの習得に着手されることがないまま、いつまでも現場改革への取り組みが進まず放置されるというわけです。
したがって、慢性的に忙しく(そもそもそういった状況を改善するために新しいことに取り組もうとするわけですが)、まとまった時間が取れないという職場の方々については、細切れ隙間時間を最大限に有効活用していくしか道はない、というわけです。
これを読んでくださっている御社はいかがでしょうか。
実際の企業での事例では
実際の企業さんで新しいことに取り組んでいただく事例として、機械オペレーターの方にCAMの操作を習得してもらい、前工程のCAMオペレーターの負荷が高いときに、ヘルプできる体制づくりをお願いするケースがあります。
そういったとき、まずCAD/CAM販売業者のサポートを活用しての基本操作研修や、前任者によるOJTなどによって、まず基本的な操作を覚えてもらったのち、私は「写経」と呼んでいる勉強によって自社でのノウハウを習得してもらっています。
「写経」とはお経を真似して書くが如く、前任者の作ったCAMデータを、全く同じ状態に自分の操作で再現してみる練習です。
これによって、基本操作のおさらいと、自社独自の加工方法を習得してもらっています。
基本は概ね4種類ほどの題材を使ってやってもらっていますが、時間があればもっと多くの題材を「写経」しても良いと思います。
この「写経」について、コンサル先の企業では期限をつけて取り組んでもらうのですが、これも期限までにきちっとやってもらえる会社と、そうでない会社に分かれます。
まさにこの「写経」のときこそ、忙しくて時間が中々とれないのであれば、細切れ隙間時間でやるべきです。
もちろんまとまった時間が取れるのであれば、それに越したことはありません。ですが、そういった現場は中々ないと思います。それであれば、やはり隙間時間の活用になるのです。
よく残り期限1か月をきったタイミングで、進捗はどうかとお尋ねすると、期限を守れない現場に限って全く着手していなかったりします。
そうなると、そもそも数か月の期限内で「写経」4つが大変だと思っていたところが、残り1か月もないのに、まだしっかり4つ宿題が残っているわけです。
これは絶対に間に合うわけがないですし、心も折れ、あきらめてしまうでしょう。
ですから、やはり隙間時間を使ってコツコツと、になるのです。
しかも、空けた10分で毎日何をするかは、事前に決めておいて、になります。椅子に座ってから「さぁ何からやろうかな?」これではあっと言う間に10分という時間を食いつぶして終わりです。
なので、こうした「写経」課題こそ、コツコツ少しずつ毎日進めるべきなのです。
その他にもCAMソフトの習得に限らず、同様に、機械や他のソフトの習得の場面でこのようなケースがあると思います。
ぜひ隙間時間をうまく活用してみてください。参考になれば幸いです。
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コラム投稿者
金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054
