そのメーカーの金型部門はなぜ停滞してしまったか?

叱れなくなった?金型・機械加工の現場

そのメーカーの金型部門はなぜ停滞してしまったか?

具体的な社名は明かせませんが、ある成形メーカーの金型部門において、あまりにも古いやり方で金型を作っておられましたので、当事務所でそれを改善していくお手伝いをさせていただいております。

例えば、マシニング加工の事例では、金型部品の荒取り加工において、ハイスラフィングをメインで使っており、手のひらサイズのワークで20ミリの深さもない浅い段差の形状加工においても、荒取りだけで5,6時間、仕上げまで含めると10時間以上かけて加工するということが普通に行われていました。

また私がCAMで、近年主流となっている工具を使って加工データを作成したところ、7,8時間で済む加工を90時間かけて加工するといった部品もありました。

その他、穴あけ加工も工具や加工条件についてやり方が古く、同業他社と比べると数倍の時間をかけた加工が普通に行われていました。

独自の設計や加工方法を導入していくという改善ではなく、まずは概ね同業他社で行われているレベルまで引き上げていこうという取り組みですので、取り立ててこのコラムで紹介する技術的なことはありませんが、

ここでお話ししたいのが、なぜこの現場が数十年も業界から遅れを取ってしまっているのか、今回は要因に触れてみたいと思います。

私が特に気になった、この現場で感じたことは以下の4つです。

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