第4話 リーダーに必要な素養とは?【柔軟性】
前回まで、管理者の具体的な管理項目などを見てきましたが、今回から数回に渡り、部下を持つリーダーに必要な素養とは何かをいくつかに分け見ていきたいと思います。
まず最初は「柔軟性」です。これから見ていきたいと思います。
金型メーカーや機械加工メーカーで仕事をするリーダーにとっての「柔軟性」とは、環境や顧客要求などの変化に対し、ポジティブかつ適切に対応していく能力を指します。
もちろん自分ひとりの個人能力だけではなく、チームとして部下を巻き込み、総合的に変化に対応していける能力になります。
この業界における「変化」には様々なものがあります。
例えば、機械や工具、治具などの進化によって仕事のやり方が変わるといった「変化」もありますし、新たな顧客の開拓により今までやったことのない製品や加工品も入ってくる「変化」もあります。
また、これまでお付き合いしていた外注先が変わる「変化」によって、社内の加工内容も変わる可能性もあります。
当然こういった「変化」は厳しく大変な状況になることもあります。
しかしリーダーとしては、仮に心の中ではネガティブに受け止めざるを得なかったとしても、少なくとも部下の前ではポジティブに受け入れる姿勢を見せたいものです。
それでは、マンガを使って実際の加工現場での事例を見ていきましょう。
良くない事例

次に望ましい事例を見ていきましょう。
望ましい事例

まとめ
かなり違いがわかりやすい事例かと思います。
良くない事例の方では、リスクを重視し過ぎるため「変化」に対応することができていません。
もちろんリスク管理として不具合に備えることや、品質管理を一番に重視することは重要です。
しかしそれを重んじるあまり、リーダーとして部下の「考える能力」を伸ばそうとする姿勢に欠けてしまうのは良くありません。
また特に良くないのが、リーダー自身も今のやり方を採用している理由がよくわかってない点です。
これでは新しい方法を試したいという部下の提案を却下するにあたり、説得性に欠け、納得を得ることはできないでしょう。
やはり「柔軟性」を持つリーダーとして正しいのは、望ましい事例に出てくるリーダーのように、業界の技術変化にポジティブに対応でき、部下の意見もすすんで受け入れる姿勢を持つことです。
部下がまだ未熟な状態であれば、即座に採用できる提案はむしろ少ないでしょう。
しかし、とにかく新しい考え方を歓迎する姿勢が重要で、部下の「考える能力」を伸ばしていくためには、あえて耳を傾ける「傾聴」の姿勢も大事になります。
いかがでしたでしょうか。
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