これだけは確認!機械回りの精度―マシニングセンタ編―(型技術2023年11月号掲載)
マシニングセンターや放電加工機での加工後、きちんと寸法確認をしてから金型を組み上げる会社にとって今回の話しは全く不要だと思われるが、プレスメーカーの内製部門などにおいて、加工が終わったら個々の部品の検査を待たずとにかく金型を組み上げ、そこから上型下型の合いを見たり、早急に1stトライに進めていこうとされる製造現場は意外と多い。
そこでよくお聞きするのが「組んでみたら何だか寸法が出ていない」「クリアランスがおかしい」などの問題が起きることである。
本来行うべき加工後の部品の寸法計測をしないということなので、いわゆる「工程で品質を作り込む」「加工方法や機械を信頼する」といった方針だと思われるが、寸法確認をせず速やかに後工程に部品をまわす方針が良いか悪いかは一旦ここは置いておき、加工プロセスの中で何かがおかしいため部品寸法が出ていないという点に着眼する。
そこでこういった問題を抱える現場の診断をさせていただく際、最低限必要な精度確認として、その場で点検させてもらう項目がある。今回そのマシニングセンター編になる。
近年金型製作においては、成形シミュレーションを使うことが一般的になっているが、そこで使ったモデルを実物で正確に再現するためにも、一定の精密加工は今の金型現場には必須となっている。
そういった意味で加工精度を保証するための機械・治具の状態確認は、必ず行っておくべきかと思う。それでは順に点検項目を見ていこう。
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