3つのチャージを活用した儲けるための現場コントロール(型技術2022年4月号掲載)

3つのチャージを活用した儲けるための現場コントロール(型技術2022年4月号掲載)

今回は、筆者が生産管理のコンサルティングをする際に、最も重視する3つのチャージの使い方について解説する。

一般的なチャージ計算において3種類に分けることはないと思うが、会社が儲かるよう作業者や機械に効率よく仕事をしてもらうため、3つのチャージを日々の日程計画の中でうまく活用する必要があると考えている。

まず3つのチャージは次のようになる。
① 売値のチャージ
② 原価のチャージ
③ 実績のチャージ

特に③の実績のチャージについては、この数値を使って、仕事の案件ごとの評価を行っているという会社は多い。

一方、日々の計画段階において3つとも全て使い、「儲けるための現場コントロール」まで行っているという会社はどれだけあるか。

そこで今回は、この3つのチャージを使った「儲けるための現場コントロール」について解説する。まずはそれぞれの意味から見ていこう。

①売値チャージの意味

まずは売値チャージの意味と使い方からである。
このチャージの意味は「時間あたりにお客さんからもらえる単価」となる。

部品加工メーカーや金型メーカーの例で言えば、見積もり書を作る際に使う、1時間あたりに設定している金額となる。

よく使われているのは、4,000円とか5,000円、高価な機械を用いる場合は、1万円などが使われている。

個別受注生産ではなく量産プレス加工などの場合、分あたりの時間単価や、1個あたりの単価が、お客さんから指定され自社の思惑によって時間単価を設定することができない場合は、日程計画で設定した時間あたり製作数量によって、お客さんからもらえる時間単価、つまり売値チャージが決まってくることになる。

②原価チャージの意味

原価チャージの意味は、「時間あたりにかかっている社内コスト」になる。

シンプルに考えると、材料費や外注費など、仕事の案件ごとに紐づく費用は省き、人件費や機械償却費、リース料や電気代、家賃などの経費を、直近の実績時間などで除して時間あたりに按分する。

この数字の意味は、この単価が自社のビジネスとしてかかっている時間あたりコストそのものになるため、顧客からもらえる時間単価が原価チャージよりも少なくなってしまった場合、単純に赤字になるということである。

③実績チャージの意味

最後の実績チャージの意味は「結果としての時間あたりにもらえることになる時間単価」となる。

例えば、加工にかかる時間を10時間と見積もり、売値チャージを5,000円と設定して、5万円で受注した機械加工の仕事について(売値チャージ5,000円×見積もり時間10時間=受注金額5万円)、もし見積もり時間よりも早く仕事が終わり、仮に半分の時間で終わったとしたら、この場合の実績チャージは1万円となる(受注金額5万円÷5時間=実績チャージ1万円)。

この場合は、売値チャージよりも実績チャージが多くなり儲かったという事例になる。

この実績チャージは仕事が終わった後に使うもので、結果としていくらの時間単価になったのかを見るものになる。

それぞれを組み合わせて使う

さて、筆者のコンサルティングでは、それぞれを単独で使うのではなく、これらを組み合わせ日々の日程計画に用いる。

具体的には、次のような組み合わせがある。

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