金型・部品加工業専門コンサルティング

金型・部品加工業専門コンサルティング(加工コンサル)は、金型メーカーや、マシニングなどの機械加工業を専門とする経営コンサルタント事務所です。

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無料診断サービス編①(型技術2019年10月号掲載)

無料診断サービス編①(型技術2019年10月号掲載)

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無料診断サービス編①

本号はいつもの企業ごとのコンサルティング事例の記事ではなく、筆者が行っている無料診断というサービスを紹介させていただきながら、金型メーカーが整備するべきポイントを、今回から数回に渡り解説していきたいと思う。

 

無料診断サービスをはじめた背景

このサービスをはじめたきっかけとして、これまで金型メーカーや部品加工メーカーから「他社はどのようにやっているのか深いところまでわからない」「自己流で色々な加工方法や管理方法を作ってきたがどれが正解かわからない」といった声をあまりに多く耳にしたというのがあった。

 

コンサルティング契約をいただいている企業だけでなく、広く全国の金型メーカーや部品加工メーカーを対象として、交通費(必要であれば宿泊費)のみで企業に赴き、製造現場や生産管理状況などを診断させていただいている。

 

サービスの特徴

無料診断サービスの基本的なやり方としては、設計やCAM、マシニング加工などの工程ごとに、これまで筆者が見てきた百社を超える金型メーカー・部品加工メーカーのベストだと思えるやり方と比較し診断している。

 

筆者は、金型ならプレス・樹脂成形・ダイカスト・鍛造金型メーカーなど、また部品加工であればマシニング加工・溶接製缶・板金加工メーカーなど幅広く、それぞれ業種ごとの長所短所を見てきている。

 

したがって同じ業種内だけに留まらずこれらを横断的に見て、ベストだと思える加工方法や管理方法と比較して、診断を受けられる点が本サービスの特徴である。

 

診断の具体的な流れ

本サービスについては、筆者のホームページからお電話をいただくか、お問い合わせページからご連絡をいただいたのち、双方で日程を調整し、必要であれば秘密保持契約を締結し診断に入る。

 

診断に必要な時間は2~3時間で、本業実務に支障をきたさぬよう配慮している。

 

製造現場や設計・管理事務室などを一通り診させていただき、担当者へのヒアリングが完了すれば診断は終了である。

 

診断の最後に口頭で報告させていただくが、後日2~3週間くらい時間をいただき、診断報告書を作成しお送りしている。

 

診断の具体的内容

実際の診断業務については、筆者が使っている「診断チェックシート」に基づき行っている。今回本来は公開していない診断チェックシートの内容に沿って、金型メーカーが整備するべき点を解説していきたい。

 

診断チェックシートは、次の工程・項目に沿って構成している。

  1. 設計工程
  2. CAM工程
  3. マシニング加工工程
  4. 機械加工全般
  5. 組み立て工程
  6. トライ工程(主にプラスチック金型)
  7. 原価管理
  8. 会社全般
  9. 購買
  10. 5Sの状況(効率性の観点で)

 

まず本号では、設計工程の診断内容を中心に紹介する。

 

設計工程の診断内容

複数設計者で、強度や品質で個人差が出ないよう設計規格書が整備されているか

設計者が一人しかいないといった金型メーカーでは必要性は低いかもしれないが、社内の設計者が何人もいる場合に、統一したルールで設計ができるよう設計規格書が整備されているかを診断している。

これが整備されていないと、例えば強度不足の金型が設計されたりといった機能不全の面だけではなく、後工程において金型ごとに加工で使用するエンドミルの種類が異なるとか、使用する締結部品や市販部品の種類がバラバラで、購買や組み立て工程の担当者の手間が余計にかかるなどの弊害が起こりやすくなる。

レベルの高い設計規格書とは、金型材料や締結部品、市販部品などの種類が記載されているだけではなく、その選定指針までが理由つきで記載されており、社内の設計ノウハウや情報を高レベルで統一・共有していくことができる。

 

正しい進捗管理の仕組みは整っているか

設計の進捗管理は、どの企業においても難しいという意見を聞く。

その理由としては、機械加工などとは異なり、加工部品数のようにボリュームを定量的に表現することが難しく、また構想設計のように必要な工数をなかなか予測できない点などがある。

よくガントチャートによる日々の進捗を線で埋める(伸ばしていく)方法がよく使われているが、計画に対しどれだけ先行しているのか遅れているのかがわからない。

図1 設計進捗管理の良くない事例

 

線を日々更新して伸ばしていくうちに、結果的に計画線を追い越してしまい、設計納期直前になって何の対策も取られないまま工程納期を過ぎてしまうことが多い。

 

本来進捗管理というものは、締め切り日が到来して間に合った・間に合わなかったという結果論ではなく、日々の管理の中でどれだけ早く対策(アクション)が取れるかが重要なポイントになる。こうした管理ができているかを診断している。

 

大日程から小日程まで日程計画は立てられているか、大雑把な管理ではないか(設計工程だけでなく金型全体の日程管理として)

まず前提として金型の日程管理は、次のように段階的に分けて行うものと考えている。

    • 大日程計画(金型ごとの管理)
    • 中日程計画(部品ごとの管理)
    • 小日程計画(工程ごとの管理)

特に③の小日程計画は、機械や人ごとの日程計画となり「差し立て」とも呼ばれている。

これまで診断してきた感想として、多くの金型メーカーでは、①大日程計画と②中日程計画は機能しているが、③の小日程計画がうまく機能していない。

精度の高い作業工数の見積もりを行い、差し立て板をうまく機能させることがポイントとなる。

 

細かなマイルストーンを設定して、日程管理ができているか(特に若手)

よく金型の大日程計画に記載されている設計工程そのものの進捗が、若手設計者ほど遅れていく傾向がある。

設計工程を細分化し、それぞれ期限を付けたマイルストーンで上司や先輩設計者がフォローをすれば、若手設計者が抱える「何度も手戻りを繰り返す」といった問題に対応することができる。

マイルストーンを適切に管理し、正しい設計の手順を踏みながら、設計間違いによる大規模修正のリスクを避けた進捗管理ができているかを診断している。

 

情報共有がしやすい設計ルームのレイアウトになっているか

働き方改革に着手しなければならない現代社会において、設計部門に限らず、たっぷり時間をかけた重量級の会議のやり方は時代遅れと言える。

別室に移動してたっぷり時間をかけるのではなく、さっと集まり最小限の時間で情報交換や意見収集を行う迅速なショートミーティングを行うことが理想である。

個人依存になりがちな設計作業において、複数の知恵を出し合ったり、必要なタイミングで複数の担当者に情報を伝えることができるような設計ルームのレイアウトになっているかの診断を行っている。

図2 理想的な設計ルームのレイアウト

 

 

無料診断の本当の狙い

今回紹介したのは設計工程を中心とした診断項目であるが、これまで診断を行ってきた感想として、次回以降も紹介する全ての項目が100パーセント整備されているといった金型メーカーはほとんどない。

 

筆者が常に思っていることとして、IOTやAIも時代の進化に合わせて導入していくことも重要だが、そこで働く人間自身や仕事のやり方自体にまだまだ「伸びしろ」があるとも思っている。

 

筆者は、無料診断サービスを通してこの点をお伝えすることで、全国の金型メーカーや機械加工メーカーの底上げの一助になれば幸いだと考えている。

 

 

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コラム投稿者

金型・部品加工業 専門コンサルティング

代表:村上 英樹(中小企業診断士)

愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054

 

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