大日程計画のあるべき考え方(型技術2024年5月号掲載)

大日程計画のあるべき考え方(型技術2024年5月号掲載)

金型の売値と見積もり工数の関係

先日、あるプレスメーカーの金型内製部門のコンサルを行うさなか、新規の金型が入ってきたときに、日程計画をどのように立てたらよいかわからないという質問を受けた。また、計画を立てるスキルを持った社員がいないので、どのように育成したらよいかという質問も受けた。

そこで筆者は、金型や部品加工の大日程計画を立てるにあたって重要なことは、「何日かかるのか」を見抜くよりも、「何日で終わらせるべきなのか」の方が重要だと説明させてもらった。

それには、金型や部品加工の売値がどうやって決まるのかを知ることが重要だとお伝えした。

そこで今回は、金型や部品加工の売値と日程計画の関係について見ていきたいと思う。

大日程計画とは

まずは、そもそも大日程計画とは何かから見ていきたいと思う。ちなみに大日程計画のほかには、中日程計画と小日程計画というのもある。

大日程計画は、下図のような、会社が受注した金型ごとの日程計画である。

図1 大日程計画の事例
図1 大日程計画の事例

一般的には、設計はいつからいつまで、加工はいつからいつまで、組み立てはいつからいつまで、といったように、工程ごとに、着手から工程納期までをガントチャートなどを使って表す。

一方、中日程計画は、各金型を構成する部品ごとの日程計画である。

先ほどの大日程計画と同じように、材料手配はいつからいつまで、マシニング加工はいつからいつまで、研削加工はいつからいつまで、といったように、それぞれの部品について、工程ごとに、着手から工程納期までをガントチャートなどを使って表される。

最後の小日程計画は、それぞれの人や機械について、例えば、三日とか1週間、2週間など一定期間をカレンダー形式にして、1日を時間ごとに区切って、毎日行う仕事を差し立てる。

今回の主題は、このうち大日程計画の立て方についてである。

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