ミドルマネジメント層へ向けた人材育成セミナー内容のご紹介②(型技術2021年4月号掲載)
前号から昨年12/1に筆者が講師として福岡県金型研究会で話した、部長や課長などのミドルマネジメント層向けセミナーの内容を紹介している。
前号ではミドルマネジメント層が管理するべき4つの指標、(1) 労働分配率、(2) 社員一人あたり付加価値額、(3) 時間あたりの付加価値額、(4) 損益分岐点の確認、のうち(1)から(3)までについて、数値事例を使った管理のポイントと改善への取り組み概要を紹介した。
今回は、(4)の損益分岐点の確認についてと、どのような取り組みを行うことで各指標を改善していくのか、その具体策について解説する。
(4) 損益分岐点の確認についての解説
この指標を使うことで、人件費や工場家賃など仮に売上ゼロでも発生する固定的な費用(これを「固定費」と言う)を、いくらの粗利益(この指標では「限界利益」と言う)で乗り越えることができるかを見える化することができる。
この指標を使うことの意義は、これまでの(1)から(3)の指標では見ることができなかった「設備投資が過剰になっていないか?」を確認するためである。
過剰な設備投資を行ってしまうと年間の機械償却費やリース料が増えるが、これは仮に売上ゼロだったとしても毎年発生する固定費にあたるため、黒字を達成するまでの損益分岐点が上がってしまう。
現場の効率化のために設備を増やす、最新設備を導入する、ということは多大なるメリットが得られるが、得られる粗利益とのバランスを見ておかないと、自社や事業部門のビジネスとして成り立たなくなってしまう。ここがミドルマネジメント層に課せられた重要な管理ポイントである。
では、ここから損益分岐点の考え方を図と共に見ていく。
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