【知ってましたか?】儲かる日報とそうでない日報、日報には2種類のタイプがあること
私はこれまで百社を超える金型メーカーや部品加工メーカーを見てきましたが、そこで使われている作業日報をまとめてみると、2種類のタイプがあり、また会社ごとの運用パターンには3種類あることがわかりました。
さらにその日報のタイプにより、儲かっている会社が共通して採用している日報と、出来高が上がらない会社に共通している日報とに分かれることもわかりました。
今回はその理由についても見ていきたいと思います。
まず2種類の日報のタイプは、次のようなものになります。
- 個別の加工部品にそれぞれ添付して、その部品に何らかの作業が行われると、その作業した日付と共に、作業した担当者名と作業種類と、工数を記入又は追記していくもの。
- 各作業者が毎日、自分が作業した加工部品ごとに、作業種類と工数を記入し提出するもの。
この2種類にどのような違いが生まれるのか、見ていきたいと思います。
① 部品ごとに添付するタイプの作業日報の特徴
まずこのタイプの日報を付ける最大の目的は、営業担当者が見積もりを作る、その原価を知るためです。これに尽きます。
この日報は「原価を知る」という目的に対しては、効率よく効果を発揮しますが、経営者が知りたい作業者ごとの効率性などは埋もれてしまいます。
例えばある作業者が、Aという部品をマシニングセンターで加工していたとして、その日は仕事が薄いためこの部品しか仕事が無く、一日のうち2、3時間くらいしか加工に携わる作業が無かったとします。
この場合、この部品の図面に添付している作業日報には、2時間とか3時間などの工数が記入されますが、その他、この作業者が行っていたであろう、掃除や改善活動などの時間は、どこにも記録されません。
そうなんです。このタイプの日報は、最低限、部品や金型の原価がわかるだけで、各作業者がその日他に何をやっていたかが分からなくなってしまいます。
性悪説に基づくと、様々なことが考えられます。
例えば、ちょっと失敗したり、他に仕事がないためのんびり作業したとして、予定よりゆっくり作業したとしても、図面に添付している日報に、本来の余分にかかっていた時間よりも短めの時間を記入しても、それが露呈することはありません。つじつまがあってしまいます。
ただし、後述する②のタイプの作業日報では、各作業者の一日のタイムカード時間と整合しなければいけないので、そういった不正をすると矛盾が出てきます。「この空いた時間、何してたの?」とか「こんなに時間かかってるけど、何かあったの?」といった具合です。詳しくはまた後述します。
といったように、この部品ごとに添付しているタイプの日報は、あくまで営業が知りたい情報が収集されるのであって、経営者が知りたい、作業者が「1日を有効に活用していたか」の情報は収集されません。
したがって私がこれまで見てきた中では、出来高が上がらない・作業者がのんびりダラダラしている、と相談を受けた会社に共通している日報がこれでした。
逆に生産性が上がっている・作業者が比較的キビキビ作業している、という会社に共通しているのが、次の②のタイプの日報です。
② 毎日各作業者が一枚提出するタイプの日報の特徴
これは前述したように、毎日各作業者が提出するタイプのものです。ざっくり簡略化すると、下図のようなものです(本来はもっと多くの項目があります)。

ポイントは、日報に記載したその日の作業工数の合計が、作業者のその日のタイムカード時間と同じにならないといけないことです。
これにより、マシニング作業やボール盤作業などの実務時間と、仕事がないときに行っていた掃除や改善などの非実務作業時間が浮き彫りになります。
また、営業担当者が知りたい原価については、EXCELや生産管理ソフトなどを使って、部品や金型ごとに集計すれば、①のタイプの日報と同じ用途は果たします。
ただし運用については、漠然とこの日報をつけていれば良いというものではなく、上司や管理部門がきちんとフォローする必要があります。
例えば、ある日の加工について「ちょっと時間がかかり過ぎてない?」と確認することが必要です。
作業者心理として、仕事が無くブラブラしていたり、掃除の時間が多いと、実作業をやっていない印象がついてしまうので、マシニング作業や汎用仕事の時間に潜り込ませたりといったことが起こりがちです(もちろん全員ではありません)。
それを抑制する管理として、きちんと実作業である加工時間などが妥当かどうかを、作業者の記憶があるうち(翌日など)に確認することが望ましいということです。
まとめると、
- 加工時間などの実務作業時間は、上司や管理者が妥当性を確認する
- 掃除など非実務作業時間が多過ぎないか、経営管理者が確認する
この2つの段階を踏むことによって、特に①のタイプの日報では見えてこなかった、作業者が「1日を有効に活用していたか」を知ることができます。
実際の運用状況
私がこれまで見てきた中では、これらを踏まえ3種類の運用パターンがありました。それは次のとおりです。
- (A)①のタイプの日報のみで作業集計している会社
- (B)②のタイプの日報のみで作業集計している会社
- (C)①と②、両方のタイプの日報で作業集計している会社
前述したように作業者がキビキビ動いているのは、(B)のパターンの会社でした。もちろん前述したように上司や管理者などによる妥当性確認などがきちんと機能している会社になりますが。
また非常に数が少ないのですが(C)のパターンの会社もあります。ですがこのパターンの会社では、作業者の日報記入が結構な負担になります。
そもそもの目的(原価集計?経営管理?)のために、日報記入が実務作業時間を圧迫するようでは本末転倒とも言えます。
したがって私がオススメするのは、作業者の負担にも配慮した(B)の②のタイプの日報のみで作業集計することですが、すでに運用されている日報のタイプを変更していくことは容易ではありません。
ですから、まずは自社の日報のタイプが、経営者や管理者の皆さんにとって目的に叶っているかを、まずは検証してみてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです。
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コラム投稿者
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