【今さら聞けない】改善活動には、楽になる改善と苦しくなる改善がある?

【ショートコラム】労働環境がサイコーの会社とは
目次

【今さら聞けない】改善活動には、楽になる改善と苦しくなる改善がある?

先日、あるプレスメーカーの社長と今年度の方針を一緒に考えていたときのお話です。

自社の売上と利益を伸ばしていくために必要な要件として、顧客ニーズにしっかりと応えていくこと、そしてその顧客ニーズとは「品質と納期を徹底して守っていくこと」だと再確認し、それを社員さんに伝えていくよう、一緒に書面にまとめていました。

・・・・・ちょっと待ってください。ここで一つ疑問を投げかけました。

「品質と納期、これらを徹底して守っていると、売上と利益って伸びるんですか?」

気を付けたい、トレードオフの関係

たしかに、不良を流出させない・納期遅れを絶対に出さない、これを継続していくことで信用が生まれ、安定してお仕事をいただけるようになる、ということはあります。

ですが、製造現場が今後さらに仕事量を増やしていけるか、つまり製造キャパを増やしていけるかどうかは、別の論点だと考えられます。

さらに言うと、「品質と納期を徹底する」こと、「売上と利益を伸ばす」ことは、一つ間違うとトレードオフの関係(両立しない・相反すること)になりかねません。

製造現場の立場からすると、「絶対に不良を出さない・絶対に納期遅れを出さない」ためには、なるべく仕事を多く取り過ぎない方が良いということになります。

この時点で、「売上と利益を伸ばす」視点からは、トレードオフの関係になっていますよね。

したがって、「売上と利益を伸ばす」という経営方針からすると、それに基づき製造現場に「何を頑張ってもらうのか」、この点について、きちんと明確に示さないと、真逆の頑張りを生んでしまうことになります。

ここでようやく、今回のコラムのタイトル「改善活動には、楽になる改善と苦しくなる改善がある?」が登場してきます。

「売上と利益を伸ばす」ための改善に必要になる考え方

改善活動でよく挙げられるのは、

  • 力仕事を楽にできるように
  • 自動化して生産性を高める
  • 新しい工具に変えて加工を少しでも早くする
  • ムダと思われる工程を無くす
  • タブレットを使って口頭での伝達を無くす

などなど、挙げだしたらキリがありませんが、基本的に「今よりも少しでも楽になるように」という視点で取り組まれることが多いです。

もちろん労働環境を良くしていくために、こうした視点が必要なのは間違いありません。

ですが厳しいことを言うようですが、「品質と納期を守る」ことは仕事として当たり前、さらに売上と利益を伸ばしていくためには、「楽になる改善」よりも、多少苦しく大変になってでも「製造キャパを増やせる」方向の改善を行っていくべきだと思っています。

ですから前述した「自動化して生産性を高める」「新しい工具に変え加工を少しでも早くする」などの取り組みは望ましいことですが、その取り組みを「製造キャパを増やす」ことに直結させていかないと「売上と利益を伸ばす」ことには結びつきません。

よく金型メーカーや部品加工メーカーの会社訪問をさせていただいた際に、華々しい改善活動の記録や取り組み事例を見せていただくのですが、その割にはあまり経営状況がよくなっていないという状況が多々あります。

これはやはり「売上と利益を伸ばす」という経営方針と、改善活動の方向性とゴールとが、うまく適合していないと言えます。

容易に想像できると思いますが、製造キャパが今よりも増えると、仕事は大変になります。品質や納期を守ることも更に大変になります。

ですから「売上と利益を伸ばす」→「製造キャパを増やす」という方針のうえでの改善は、「楽になる」よりも、むしろ「苦しくなる」のであり、大変にはなりますが、順番としてはこの「苦しさ」を「楽にしていく改善」に取り組んでいくのが望ましい流れになります。

もちろん「苦しさ」だけではなく、「売上と利益を伸ばす」ことで、社員の皆さんにお給料や賞与という形で還元されることは言うまでもありません。

私は現役の機械オペレーターだった頃、2台のマシニングセンターを使って、1日22枚の金型部品の加工を仕掛けたことがありますが、やはり体力的にも大変です。シンドイです。

しかし「売上と利益を伸ばす」という観点から考えたことは、「もっと1日の加工枚数を増やせないか」であり、それを実行することで、体力的にはもっと厳しくはなります。

ですが、もちろん会社や上司から強要されたことはありませんし、自ら望んでやっていたことです。このときの自分が望んだものと言えば、やりがい評価・報酬ということになります。

御社の改善活動はいかがでしょうか。

「楽になる」方向でしょうか、「苦しくなる(厳しくなる)」方向でしょうか。

また「苦しさ」の向こうに、「やりがい」と「正当な評価・報酬」はありますでしょうか。

参考になれば幸いです。

金型・部品加工業専門コンサルティングからのご案内

ホームページの技術コラム本の第9巻が発売されました!

第9巻の表紙
第9巻の表紙

設計部署や製造現場、管理部署にぜひ一冊。

経営者や部長などマネージャー職の方々から、悩める現場リーダーへのプレゼントにも最適です。

くわしくはこちらのページからどうぞ。

【動画セミナーDL販売】現場リーダーのための「稼ぐ力」養成講座

大手セミナー会社向けに制作したコンテンツを、安価に一般販売いたします。
金型・機械加工など単品・小ロット品加工の「現場リーダー」向けの動画セミナーです。

現場リーダーのための『稼ぐ力』養成講座
  • 教材構成:約300ページ分のスライド資料をもとに制作された解説動画
  • 学習時間:動画+演習で約6時間(367分)
  • 目的:現場リーダーが 数字に強くなり、成果を見える化できる力を養うこと
  • 特徴:目標管理・不具合対策を中心に実務直結のスキルを習得
  • 形式:動画(mp4)+PDF資料
  • 割引:通常価格50,000円 → セット購入で50%OFF:25,000円(税込)

👉 詳細・ご購入はこちらのページからどうぞ

【改善・管理の上級編】セミナー動画が発売中です【お得なDL版あります】

セミナーDVDの販売について

過去に大手セミナー会場で、代表コンサルタントが講師として登壇した内容をZOOMで再収録しました。

内容は、加工や管理における上級コースとなります(基礎知識はすでに持っておられる方向けになります)

動画セミナーですので、いつでも何人でも受講でき、長時間一気に受講する必要もありません。隙間時間を有効に使って受講できます。

お買い求めしやすいダウンロード版もございます。

くわしくはこちらのページからどうぞ。

【書籍販売中です】経営が厳しい金型メーカーのための本

このホームページに掲載している多くの技術・管理コラムから、経営が厳しい金型メーカーのために、大きな投資に頼らず、意識面や仕事の取り組み方などから改善改革していける方策に関するコラムを集めた本をつくりました。

こちらの書籍を販売しております。内容は、366ページの大ボリュームとなっております。

経営が厳しい金型メーカーのための本

ぜひ社員の皆さまで読んでいただければと思います。また、金型メーカーを支援される金融機関や公的機関、会計事務所やコンサル会社でお勤めの方々にも、読んでいただければ幸いです。

詳しくはこちらのページからどうぞ。

YouTubeを使った上級セミナーを配信中です

配信セミナー

金型メーカー・部品加工メーカーにおける、個別テーマ上級セミナーを配信しております。

YouTubeによる動画配信ですので、ネット環境があればいつでもどこでも視聴できます。

くわしくはこちらのページからどうぞ。

「金型メーカー・機械加工業のための管理職育成マニュアル」発売中です

管理職育成マニュアルの表紙

当サイトの管理職育成ルームに掲載しているコラムを集めて編集したものになります。

金型メーカーや機械加工メーカーで、新たに管理職になられる方や、すでに管理職としてお仕事をされている方向けに、ストーリー形式で、心構えから具体的に取り組む業務内容まで、幅広くまとめております。

くわしくは、こちらのページからどうぞ。

「金型メーカー・部品加工メーカーにおける処世術」が発売中です

こちらの書籍は、金型メーカーや部品加工メーカーにおいて、国内全体で賃上げの機運が高まる中、勤める会社に貢献しながらも、ご自身の付加価値・市場価値を高めていこうとされる方々の一助になるような内容をお届けすることを目的としています。

処世術_表紙

処世術」をテーマにした一般書籍はたくさんありますが、主にホワイトカラー向けのものが多く、金型メーカーや部品加工メーカーのお仕事ですぐに使えるものが少ないと思っています。

一方この本では、金型メーカーや部品加工メーカーの現場「あるある」を題材にしており、そこでお仕事をされる方々に身近なわかりやすい内容にしております。

簡単なワークも掲載していますので、社内研修にもお使いいただけます。

詳しくはこちらのページからどうぞ。

「金型メーカー・機械加工業のための自己診断ハンドブック」が発売されました!

自己診断ハンドブックの販売

私がコンサルティングの初回訪問時や、無料診断サービスにおいて、訪問先企業の製造現場で確認する項目を解析付きで紹介しています。

金型メーカーや部品加工メーカーに皆さまに、自社をセルフチェック自己診断)するために使っていただければと思っております。

くわしくはこちらのページからどうぞ。

2パターンの技術セミナーレジュメを販売いたします

2パターンのレジュメを販売しております
2パターンのレジュメを販売しております

日刊工業新聞社さん主催で行われた、機械加工メーカー向け金型メーカー向け、それぞれの技術セミナーで配布されたレジュメを販売いたします。どうしても遠方で参加できないといった方や会社さまより、レジュメだけでも使いたいとリクエストがあったためです。

当事務所のホームページに掲載されているコラムの内容がベースとなっておりますが、それとの違いとしては、具体的計算と事例ワークなどを盛り込み、ホームページよりも手厚く解説しております。

本来レジュメと言いますと、図やイラストがほとんどで、言葉による文章が入っていないイメージがありますが、本レジュメはそうではなく、復習がしやすいよう、多くが文章で構成されており、1人で読み進めることができます。

くわしくはこちらのページからどうぞ

ミドルマネジメント層向け人材育成セミナーのレジュメを販売いたします

セミナーレジュメの表紙

ミドルマネジメントの人材育成のテーマで、講演をさせていただいた際に作成したレジュメ(当日映写したパワーポイントファイルと同じものです)を販売いたします。

日程や生産管理、品質管理だけが幹部・管理職の仕事ではありません。儲けるためのマネジメントが必要です。

そういった視点や意識を持ってもらうためのきっかけとしてオススメの一冊です。

くわしくはこちらのページからどうぞ。

4コマ漫画ギャラリーを開設しました

コラムページにプロローグとして添付している4コマ漫画を集めたページを開設しました。

4コマ漫画ギャラリー

こちらをクリックすると入れます

コラム投稿者

金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次