ワイヤーカット加工からの鏡面仕上げ
クライアントのプレス金型メーカーにて、SUS304のダイのカジリ対策として、焼き入れ後のしごき面の鏡面仕上げに取り組んでいます。
しごき面は、垂直であり、手仕上げ磨きの負担軽減のため、ワイヤー放電加工で出来るだけきれいに仕上げ、その後、手仕上げで磨くという手順を踏むことにしました。
これまで同社では、ワイヤー放電加工は、1stカットしか経験がなく、4thカットは初挑戦でした。
さっそく取り組んでもらった加工面を顕微鏡で拡大した画像がこちら。

画像内に、数箇所、点々と見える、少し大きな黒い穴は、ピットと呼ばれる、加工層に出来たクレータのような穴です。
これを除去することが、手仕上げ磨きで行う作業の一つになります。
ちなみに、以前の1stカット面を顕微鏡で見た画像がこちら。この面と比較すると、ずいぶんときれいになっています。

1stカットでも、目で見る加工目は、そこそこきれいなので、1stカットだけも問題ないかな、と思いがちですが、顕微鏡で見る加工目は、実際このような感じです。
これを見てしまうと、ちょっと抵抗ありますよね。
さて、4thカットした面を、今度は手仕上げで磨いてもらったわけですが、まずは自由な手順で磨いてもらいました。
その仕上げ面がこちら。

手にとって見た仕上げ面は、鏡面に近い状態に見えたのに、顕微鏡で拡大してみると、このような磨きキズが残ってしまっている状態です。
これは、手仕上げ磨きを、90度に真っ直ぐ行っていないことが原因です。
手順としては、スティック砥石磨き→テーパー磨き→ダイヤモンド・ペースト磨き、といった手順を踏む中で、それぞれの工程は、90度の動きを交互に変えながら、砥石は1箇所50回を上限に、磨いていきます。
この後、ルーペを使いながら、前述した方法で、再度トライしてもらうことになりました。
続きは、またの機会で。
※ 実際の加工においては、工具材種だけでなく、被削材の物性、機械剛性、工具の消耗状態、被削材のクランプ状態などの外的要因で、如何様にも状態は変化するため、実際の加工においては、自己責任のうえ、充分な確認・検証を行ったうえで、加工してください。
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