改善活動会議でうまく課題の洗い出しができない
私は、クライアント先とのミーティングやヒアリングに連関図というものを使うときがあります。
これは、新QC七つ道具の一つで、主にブレーンストーミングなど、
会議やミーティングの参加者から集まった意見を整理するのに使われています。
私がこれを使っているのは、製造現場や企業全体の問題点を洗い出していくのに、とても便利だからです。
例えば、簡単な例では次のように課題を展開していきます。
これは、「新規受注がうまくいかない」といった問題点に対し、「なぜ?」で問いかけて問題点をブレークダウンしている例です。
「なぜ?」で掘り下げていく場合や「どうしたらできる?」と解決案を徐々に挙げていくパターン、どちらでも使えます。
また、問題点を掘り下げたのち、短期と長期、それぞれの視点で対策案を考えるのもオススメです。
例えば、「加工ノウハウがない」という掘り下げた問題についての対策案としては、
短期的な対策案として、
- がんばって受注したい場合、もしうまく加工できなかった時の保険として、横請け受注してくれる協力メーカーを探しておく。
助けてもらった際、その費用は持ち出しにはなるが、最悪、顧客に迷惑はかけなくて済む。 - ミスが発生した際に溶接補修してもよいかの確認をしておき、肉盛り補修をしてくれる溶接業者を探しておく。
特にSS400という材料は、溶接熱による硬化がないため、溶接補修を許可してくれる場合が多い。
可能な限りリスクヘッジを考慮したうえで受注をする。 - 納期まで余裕がない場合、特に高価でなければ予備の材料を購入しておく。
1個目でうまくいき材料が余っても、在庫材として次の受注のリスクヘッジとして活用できる。
長期的な対策案として、
- 今回はお断りをするが、自給できる材料の製品であれば、近日中にテスト加工をしてノウハウを得たり、問題になるところを挙げて解決しておき、次の機会で受注する。
- 自社では持っていない加工ノウハウを持つパートナー企業をつくり、お互いに横請け発注をしながら、技術供与を行う。
といったところでしょうか。
これは実際に、過去に私自身が経験してきたことばかりの対応策です。
余談ですが、自社に加工ノウハウがない製品を新規受注する際、その方向性は次の2つがあると思います。
- がんばって受注し、納期という制約の中で、技術を確立しながら製品をつくりあげる。うまく成功すれば、売上はたつ。
- 今回は受注を断ることでリスクを避け、練習といつ形でテスト加工をしながら時間をかけて加工技術を得る。ただし売上は立たない。
最後になりますが、連関図を使って「なぜ?」でブレークダウンし、課題となっている
原因を掘り下げれば、対策を考えやすくなります。
私のようなコンサルタントの立場からしても、問題を整理して、いろいろな対策案を提案しやすくなるというわけです。
なかなか会議が結論に達しないなどの課題のある企業様はぜひ、自社の会議やミーティングで活用してみてください。
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コラム投稿者
金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
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