【自己啓発シリーズ②】金型メーカー・部品加工メーカーの処世術(勝ち組社員になるために)

【改訂版】責任感や使命感の薄い社員にどう対処する?
目次

【自己啓発シリーズ②】金型メーカー・部品加工メーカーの処世術(勝ち組社員になるために)

【テーマ】勤める会社の評価基準の「キモ」に沿った仕事のやり方ができていますか?

今回の内容を読んだ後に取り組める実践ワークは次のものになります。

  • あなたが勤めている会社の「評価基準のキモ」は「根性」ですか「要領」ですか、それとも別のものですか?
  • 「評価基準のキモ」に沿った仕事のやり方ができていますか?

ある程度、社内規定が整備されている会社でしたら、社内の評価基準が明確になっていて、しかもそれが社員全員に周知されていると思います。

ですが、そういった書面化された文言ではなく、金型メーカーや部品加工メーカーによく存在する、組織風土と言いますか、風習と言いますか、「評価基準のキモ」とも言える大前提となる考え方が、会社に根強く残っていたりします。

その代表的なものが、「根性」タイプの人が評価されるのか、「要領」の良い人が評価されるのか、といった違いです。

ところで、会社員は「評価」のために働いていると言っても過言ではないと思っています。

なぜなら、仮に売上が倍になる仕事をしたとしても、当然その月に倍のお給料がもらえるわけではありません(歩合制の営業さんでしたらあるかもしれませんが)。
もちろん倍とまではいかないにしても、給料を大きく増やしてもらいたいと思えば、仕事でそれに見合った貢献をして、さらにそれが会社から正当に評価されなければいけません。

ですから、「この人の給料を上げても良い」と思ってもらえる高い「評価」を、まずは受けなければならないということになります。

したがって端的に言えば、個人事業主のような「売上(利益)=給料」という仕組みではない会社員は、「評価のために働いている」と言っても過言ではないというわけです。

ではここからが本題なのですが、これを読んでくださっているあなたが、会社に給料を上げてもらいたいと思っているとして、そのあなたの日々の頑張りは、会社の「評価」の基準に沿うことができていますでしょうか。

日々私が金型メーカーや部品加工メーカーに訪問し、社員さんとお話しさせていただくと、実はその勤めている会社が想定している評価基準と、社員さんが認知している評価基準に、齟齬があることが実は少なくありません。

自分が勤めている会社はどちらのタイプか

一番よくあるパターンが、冒頭に出てきた「根性」と「要領」、どちらを会社が重視してるかの認識です。

「根性」の方は、残業や土日をいとわず仕事をしてくれる人を評価するというもの。一方「要領」の方は、機械やソフトを効率よく使って、なるべく残業や休出にならずに生産性を上げてくれる人を評価するというものです。

これは当然に、後者の「要領」よく仕事をする人の方が評価されやすいとイメージするかと思いますが、意外と「根性」論の製造現場があるのも見逃せません。

つまり、これを読んでくださっているあなたの職場が、まずどちらがキモとなる評価基準を持つ職場なのかという点と、そしてあなたご自身がその基準に沿った日々の頑張りができているかという点がポイントになります。

経営者の方が普段の朝礼などで、近年の残業規制なども相まって、「要領」よく仕事をするようにと言ってはいても、納期の差し迫った仕事に対応するため、休出をいとわず仕事をしている姿勢の方が、実は会社に評価されているのだと信じて疑わない社員の方も多くおられます。

例えば、私が訪問した企業の例ですが、ワイヤーカット担当者のAさんは真面目な性格で、とかく部品加工においては最終工程になりがちなワイヤーカット加工において、前工程から渡される加工品が遅れがちであっても、土曜日や日曜日に機械を仕掛けにきて何とか間に合わせてくれていました。

これはこれでとても誠実な対応に見えますが、その会社の経営者は助かっているとは思っているものの、Aさんの給料を大きく上げるほどに高くその姿勢を評価しているかというと、そうではありませんでした。

Aさんは経験年数は長いのですが、機械やソフトにあまり強い関心がなく、Gコードプログラムを読み解いたり編集したりすることができません。

したがって、夜間や週末、一つの機械に2つ以上のワークを仕掛けるために、複数のNCプログラムを結合させるといった編集が出来ず、必ず一つずつワークを仕掛けることになってしまい、夜中にワークを載せ替えに来たり、日曜日にワークを載せ替えに来たりといった作業の仕方をしていました。

こうした仕事のやり方について、経営者の評価とAさんの認識に齟齬が出ており、せっかくAさん自身は、自分のプライベートの時間を削ってまで会社に協力しているのにもかかわらず、Aさん本人が考えているほど、高い評価を受けることが出来ていませんでした。

社長に面と向かっては言わないものの、やはりAさんに不満は溜まっていました。もしもこの会社が「根性」を強く重視する会社でしたら、Aさんは高い評価を受けていたかもしれません。

ですが、経営コンサルタントでもある私が見てきた中では、「根性」の方だけを強く重視する会社は、業績があまり良くないところが多かったです。NC機械を扱う会社においては特にです。

例外的に、ハンドワークでモノづくりを行う板金メーカーや、CO2アーク溶接の手作業でモノづくりを行う溶接製缶屋さんの場合においては、「根性」で仕事をする姿勢の方が高く評価され、労働基準法的には望ましくありませんが、残業や休出による短納期対応が会社の付加価値になっているというケースがありました。

これらの会社の経営者さんと話しをすると、「要領」よく仕事をこなして毎日定時で帰るよりも、毎日残業をして休日出勤もしてくれる社員さんの方が高い基本給になっていて、「根性」タイプの人が高い評価を受けていました。

たしかに、この「根性」による短納期対応の付加価値は、金型メーカーや部品加工メーカーにとって見逃せないものがありまして、「要領」タイプで仕事をする人が多かった、とある金型メーカーさんが、事業が立ち行かない状況に陥ってしまったという事例もあります。

「根性」と「要領」だけでも良くない

金型メーカーや単品部品加工メーカーの仕事に波があるというのは、皆さんご存知のとおりです。

平準化された仕事が途切れなく受注できるというのが理想ですが、無い時は無く、仕事があるときに一気にまとめて集中してしまうため、その時どうしても断ったり、外注対応のため利益率が悪くなったりするのが、この業界の仕事の特徴です。

そこで会社としては「要領」よく仕事をすることを推奨するものの、時には、まさにこの仕事が集中するタイミングで、瞬発力を発揮するため、社員さんの「根性」に頼った采配をせざるを得ないときがあります。

この事業が立ち行かなくなってしまった金型メーカーの現場は、どれだけ忙しくても、残業や休出の協力がほとんど得られない職場で、いつも決まった幹部数名だけが長時間残業や休日出勤をしていて、仕事が集中したタイミングでも、製造キャパを増やすことができませんでした。

ですから、この金型メーカーに必要だったのは「要領」の良さだけではなく、ピンポイントでの「根性」タイプの頑張り、そしてもう一つ、多くの金型メーカーや部品加工メーカーで高い評価を受ける評価項目の一つ、「多能工」という取り組みでした。

この「多能工」は、どの会社も重視している評価の高い項目です。

金型メーカーや部品加工メーカー「あるある」として、「忙しくて仕事は溜まっているけど、今やれる人がいない」といった状況があります。

先ほどの事業が立ち行かなくなった金型メーカーも、まさに現場にこの状況が慢性的に発生していました。ですから「要領」や「根性」の頑張りだけでなく、「多能工」としての頑張りが、社員全員に必要だったのです。

まとめ(勝ち組社員になるために)

さて、ここで一旦話をまとめますと、

  1. あなたが勤める会社の「評価基準のキモ」は「根性」なのか「要領」なのか、その他か。
  2. いずれであっても、それに沿った日々の仕事のやり方ができているかどうか。
  3. 「根性」タイプ、「要領」タイプ、いずれであっても、必要な場面では両方発動できることが望ましい。
  4. 「多能工」は多くの金型メーカーや部品加工メーカーで高い評価を受けている項目である。

と、いうことになります。

これも私が訪問している会社でよくある事例なのですが、勤めている会社の「評価基準のキモ」とは違う価値観の評価基準を主張して、年がら年中ブツブツ会社の文句を言っている人がいます。その気持ちも理解できなくもないですが、全く生産的ではないと思います。会社もその人も不幸にしかなりません。

やはりその会社で働き続けるのであれば、その会社の「評価基準のキモ」を読みとり、それに従った方が生産的です。もしくは評価制度を変えられるほど、その会社で偉くなるかのどちらかです。後者については別の機会に触れていきたいと思います。

もう一つ、会社と社員さんが認識している評価基準の齟齬は、一般社員だけでなく、管理職の人にもよく起こっています。

例えば、経営者としては、うまく押し引きを図り、部下を鼓舞しながら温和にマネジメントして欲しいと思っていても、完璧主義とも言えるほど強すぎる正義感を振りかざして、部下全員に避けられてしまっている上司の人がいたりします。

こういった方が、「なんで俺より後から入社したヤツが先に昇進していって、俺がなかなか上に上がれないんだ」と不満を漏らしているのを見かけます。

これはまさに、管理職の場合の、会社の「評価基準のキモ」を見抜けていない事例になります。

年収一千万円プレイヤーとは

さて、最後に 中小製造業の現場仕事でありながら、年収一千万円のお給料をもらっている人について少し触れてみたいと思います。

私が訪問している企業の中には、こういった極めて高い評価を受けている人が数名おり、やはり前述したまとめの①②③を実践しています。

また、この人たちの共通点として、その勤めている会社の命運を握っているほどのコア技術に関わっているという点があります。

例えばある人は、その人しかその会社で設計できない製品を扱っていたり、またある人は会社が受注する最も高難易度の製品は、その人しか作れない、といったものです。

ですが、「要領」が評価されるにしても、自分の仕事が終わったらサッと帰ってしまうとか、「根性」が評価されるにしても、「要領」よく仕事をするための勉強や情報収集、改善を一切しないというわけではありません。当然にやっています。
さらには社内の様々な仕事に精通しており、結果「多能工」としても活躍しています。

それとこれも絶対に見落とせないポイントですが、それらコア技術が会社の付加価値につながり、その勤めている会社が、数千万円もの法人税を払うほど儲かっています。

話を戻しますが、これを読んでくださっているあなたは、会社の「評価基準のキモ」に沿った仕事のやり方が実践できていますでしょうか。

何を持って成功とするか失敗とするか、捉え方も人それぞれですので、完全にこの考え方が当てはまるかどうかはわかりませんが、金型メーカーや部品加工メーカーでお仕事をする人にとって参考になれば幸いです。

※ 会社ごとに評価の基準も異なるため、本内容は結果を保証するものではありませんのでご了承ください。

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コラム投稿者

金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054

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