無料診断の報告書の事例をご紹介(6)会社全般管理・購買・5S状況編

筆者が金型メーカーで無料診断を行っている様子

当事務所のサービスである機械加工メーカーや金型メーカー向けの無料診断について、日刊工業新聞社さんの月刊誌「型技術」でも診断項目を紹介させていただいておりますが、前回に引き続き実際に診断した報告書の事例を紹介したいと思います。

今回の事例は最終回になります。会社全般での管理・調達面・5S状況についての内容です。

ある金型メーカーA社の診断報告

会社全般での管理

中長期的な教育の仕組みはあるか・役割ごとに責任と権限は設定できているか

教育については社員の退社などもあり、現在は中断されているようです。

どの会社でも諸事情はありますが、教育が滞っているのは長期的に考えても決して良い状況ではありませんので、早急に対策した方が良いと思います。

①会社全体・②部門ごと・③管理者ごとの年度目標は設定されているか

年度ごとの売上・利益目標は設定されており、まずは良好な状態と言えますが、そこからブレークダウンした、②部門ごと・③管理者ごとの年度目標が曖昧になっているようです。

各管理者や部門が「これを達成すれば、会社の年度目標を実現できる」といった上位目標とリンクした下位目標を設定することで、会社の年度目標が絵に描いた餅になることを回避できます。

早急に上記の仕組みを整えることが重要かと思います。

受注の山谷に対応するための多能工化は図れているか

ほぼ完全な分業体制のため、多能工化はできていません。

多能工化ができていないことで、「山」の受注状態のときに最も必要となる「瞬発力」を発揮することが難しくなっています。

多能工化を行うことで対応できる製造キャパを引き上げることができれば、山谷における「山」の状態、つまり引き合いが多く来たときに、できるだけ多くの型数を受注する、もしくは外注に出す金型を少なくするという対策ができます。

「谷」の状態のときに、しっかりOJTやOFF-JTによる準備を整えておき、「山」の状態が来た時に「多能工」という瞬発力を発揮して来た仕事をできるだけたくさんこなすことが、金型メーカーにおける「多能工化」の真の目的・意義になります。

ぜひ早急に対策を行っていただければと思います。

定期的な改善活動は行われているか

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