「現場担当者に精度の高い作業日報を書かせるにはどうしたら良いですか?」
私の事務所に多い相談が、原価集計や採算性評価についてです。
そのなかでも原価集計の基礎情報となる、現場担当者の日々の日報をどうしたら正確に書いてもらえるのか、この点についてよく相談を受けます。
そこで、この「どのように日報を正確に書いてもらうのか」について、まとめてみたいと思います。
これは、2者からのチェックを行うことで解決します。
その2つのチェックとは、次の2つです。
- 直接の上司からのチェック
- 経営層(総務部門)からのチェック
それぞれ何をチェックするのかという話の前に、まず前提となる心構えが必要です。
その心構えとは何かと言いますと、現場担当者にとって日報に記載する業務内容と工数は、「請求書」と考えることです。
各自が、「今日、私はこれだけ多くの作業をやりました、それを評価や給与に還元してください」とPRする、一種の請求書と考えることです。
では請求書ということでしたら、好きなだけ多くの工数を多く盛ってでも書いて良いのかというと、今度はそれが妥当なのかどうか、検証しなくてはいけません。
これは誰の仕事でしょうか。それが先ほどありました、2つのチェックのうちの最初の一つ、「直接の上司によるチェック」です。
なぜ直接の上司が行うのか、その上の上司、例えば、部長さんではいけないのか。
その理由は、その担当者が行う仕事の工数の見積りを正確にできるのが、他でもない実務を理解できる直接の上司だからです(この状況は企業ごとで異なります)。
その日報に記載された工数について、直接の上司が評価をするときは、ぜひ辛口で評価しましょう。
例えば、
「あれ?これ、ちょっと時間かかり過ぎてない?」とか、
「これ、次回からはもう少し短い時間で出来るかな?」
などの言葉をかけてあげたいところです。
さて、こうした検証が機能してくると、今度はもし現場がフル稼働ではなかった場合、日報には「その他」とか「清掃」といった、正味作業以外の時間が出てくるはずです。
ところで、毎日の日報確認の際に、その合計時間とタイムカード時間との照らし合わせ確認は、もちろん必要です。
日報の合計時間とタイムカード時間は合っている、各作業の工数も厳密に適正評価されている、となると完全なフル操業状態でない限り、「その他」など正味作業以外の時間を書かざるを得なくなります。
さてこうなると、今度は経営層(総務部門)からのチェックの出番です。
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