ラフィングエンドミルのメリットと工具特性を教えてください

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ラフィングエンドミルのメリットと工具特性

「ラフィングエンドミルのメリットと工具特性を教えてください」

クライアント企業から、このようなご質問をいただきました。

今回のFAQは、この点についてまとめてみます。

ラフィングエンドミルの刃の山の頂点の形状

まず、加工現場でラフィングエンドミルといえば、上図のような工具を指して呼んでいます。

「オーエスジーのラフィングエンドミル (ハイス)|MISUMI-VONA」サイトより (最終閲覧日:2016年4月1日)

上の図にも書いておりますが、工具の外周には、丸などの頂点を持つ凹凸が波状に付いています。

これは、回転すると、ちゃんと凹のところに次の山の凸部が来るように設計されており、工具を回転させると、外周の刃の凹凸はまっすぐの直線に近くなります。

この外周刃の凹凸により、次のようなメリットが得られます。

  • 切りくずがつながらずに、細かく分断される。
  • 切削油が凹部に入り込み、切削中の工具にまとわりつきやすく、冷却・潤滑効果が高まる。

よく切削性を評価する要素として、次の3つが言われます。

  1. 工具の寿命
  2. 仕上がり加工精度
  3. 切りくずの対処のしやすさ

このまさに3番目の「切りくずの対処のしやすさ」において、ラフィングエンドミルは、細かく分断された切りくずがモリモリ出ることで、特に荒取り加工において、効果を発揮します。

では、チップ式のスローアウェイ工具での荒取り加工と何が違うのでしょうか?

このラフィングエンドミルを使うことの最大の効果は、外周刃が波状になっていることで、Z深さ方向(工具の軸方向)やXY方向(工具直径方向)で深く切り込む場合であっても、もし外周に凹凸のないスローアウェイ工具であれば、ビビリが発生してしまうような切削抵抗の高い加工であっても、ラフィングエンドミルであれば、ビビリを抑えて加工することができます。

ただし、この効果は、特に、Z深さ方向(工具の軸方向)の切り込み深さが浅い場合には、その効果は発揮しにくいと考えます。

理由は、外周刃の当たる範囲が少なくなるためで、そのような浅い切り込みの加工であれば、超硬スローアウェイチップによる高速送りで加工した方が、加工効率は高いと考えます。

凹凸のないソリッドエンドミル

これは、下図のような外周刃に凹凸のないソリッドエンドミルと、ラフィングエンドミルとの比較においても同様かと考えます。

「TSCシリーズ超硬ラジアスエンドミル 4枚刃/スタブタイプ|MISUMI-VONA」サイトより (最終閲覧日:2016年4月1日)

では、上記の外周刃に凹凸のないソリッドエンドミルやチップ式のスローアウェイと、ラフィングエンドミルをどう使い分けると良いのでしょうか。

次のような場合で積極的に、ラフィングエンドミルを使われてはいかがでしょうか。

  • XY方向(工具直径方向)の切り込み幅において、半径よりも多く切り込む場合。凹凸のないソリッドエンドミルやチップ式のスローアウェイは、半径以上切り込むと、とたんにビビリやすくなります。
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  • Z深さ方向(工具の軸方向)において、工具直径と同じくらい切り込む場合(その時、XY方向(工具直径方向)の切り込み幅も大きい場合)。凹凸のないソリッドエンドミルやチップ式のスローアウェイは、Z深さ方向(工具の軸方向)の深い加工は、ビビリやすかったり、そもそも刃長が足りなかったりもします。
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  • 外周から自由にアプローチできるような凸形状の3次元加工の場合。逆に凹形状でフラット形状のラフィングエンドミルを使う場合、Z方向アプローチが厳しくなります。ボール形状のラフィングエンドミルなら加工できますが、側面の凹凸外周刃よりも、先端のボール部の凹凸効果は少なそうです。
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  • ワークに剛性がなく、ワーク自体に振動・ビビリが発生しやすいような形状の場合。スローアウェイ工具などの高速回転する工具では叩いてしまい、ビビッてしまう場合。

切削加工において、仕上げ加工は加工面や寸法などの品質が影響するので、スピードアップにどうしても制約を受けますが、荒取り加工は、いかに効率良く素材を除去していくか、ここが勝負になります。

さまざまな切削工具が開発されており、どの工具を選ぶか、わりと硬直的になってしまいがちですが、そもそもどういった効用があるのか、理解したうえで、使い分けたいものです。

※ 実際の加工においては、工具材種だけでなく、被削材の物性、機械剛性、工具の消耗状態、被削材のクランプ状態などの外的要因で、如何様にも状態は変化するため、実際の加工においては、自己責任のうえ、充分な確認・検証を行ったうえで、加工してください。

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