【今さら聞けない】合ってる?間違ってる?製造現場の2大テーマ
今回のテーマも、コンサル先でよくさせていただくお話しです。
一般的に製造現場でお仕事をされる方に認識されている2大テーマ、それは何か、それは次の2つだと思います。
- 納期に間に合わせること
- 不良を出さないこと
どちらもあえて説明をする必要もないかと思います。とにかくこの2つを守ることが製造現場の2大テーマだと認識されていると思います。
ところがこの2つに執着すると、思わぬ弊害を生むことがあります。
今回は、その理由について見ていきたいと思います。
2大テーマだけでは良くない理由
- 納期に間に合わせること
- 不良を出さないこと
これは絶対的に必要なことで、納期とはお客さんから対価をいただくための約束事であり、不良は3つ(3倍)の損害を会社にもたらすと言われ、まずそこまで作業していた時間・それを再度やり直す時間・そのやり直す時間に本来やれていたであろう新しい仕事の時間を食いつぶす、といった3倍のダメージを会社に与えてしますことになります。
ただし「儲ける」という観点から見た場合、この2つに固執し過ぎると「ゆっくり慎重にやる」という意識につながってしまいます。
これはどういうことでしょうか。
まずわかりやすく「不良を出さないこと」の方ですが、当然急いで早く作業するよりも、ゆっくり慎重に作業する方が、丁寧に途中のチェックを何度も入れることができ、ミスを減らせることができます。
フライス加工においては、歪ませないための掴み替えなどを増やすことで、加工後に出てしまう変形不具合なども減らせることでしょう。
ですが「儲ける」観点からは、「ゆっくり慎重に」やることで、さばける仕事の数が減ります。したがって「不良を出さないこと」に固執し過ぎると会社の売上に影響が出ます。
次に「納期に間に合わせること」も同様です。
一見、こちらはわかりにくいのですが、特に単品受注の部品加工メーカーで言えることですが、毎月一定量決まった受注があるというわけではなく都度営業が仕事をとってくる業態の部品加工メーカーでは、製造現場がいかに仕事をこなせるか、つまり製造キャパが、営業が仕事をとってこられる量に影響します。
そうした意味で、仕事が詰まっているときは「納期に間に合わせる」よう現場はがんばってくれますが、逆に仕事が薄いとき「納期にさえ間に合えば時間がかかってもいい」という意識になってしまうことがあります。
やはり慌てて急いでやるよりも、「ゆっくり慎重に」やる方がミスなく確実に仕事ができるためです。
あくまで製造現場の2大テーマが、
- 納期に間に合わせる
- 不良を出さないこと
であり、そこに「早くやる」が含まれていなければ、
製造現場としては仕事が薄いときに、まだ納期が先のものまで先食いする、つまり「前倒し」してまで詰めようということにはなりません。
単品受注の部品加工メーカーにとって「前倒し」は非常に重要です。
営業は「現場が空いているか」を意識しながら次の仕事をとってくるので、納期に間に合えば大丈夫だと想定より時間をかけゆっくり慎重に仕事をされてしまうと、本来空くはずのところに空きができず、次の仕事をとってよいか判断に迷いがでるかもしれません。
また1か月など先の納期の仕事であっても、その頃には次の仕事が入ってくるはずであり、そこに仕事が重ってしまえば、仕事をお断りしたり外注対応になってしまうかもしれません。「前倒し」で先食いしておくことは、会社は儲けていくうえで必要なことです。
金型メーカーや設備メーカーなど、単品受注の業態ではないメーカーであっても「前倒し」は有効かと思います。「前倒し」をすることで、想定通りの工数で「早くやろう」とする意識につながります。
やはり仕事が薄いときに、「納期に間に合わせる」「不良を出さない」だけしか意識がないと、ゆっくり慎重にやり過ぎることにつながり、想定よりも工数が多くなり製造原価が上がってしまいます。
「売上目標」を意識する
ポイントは、2大テーマに加えて、「売上目標」を加えることです。
厳しい言い方ですが、①「納期に間に合わせる」②「不良を出さない」は、ある意味製造現場にとっては当たり前の「最低限」守るべき、最低ラインのことになります。
製造現場に「売上目標」が課されるため、「前倒し」や「早くやる」必要が生まれます。
逆に、この「売上目標」が製造現場のテーマからすっぽり抜けると、現場の目標は、①「納期に間に合わせること」②「不良を出さないこと」だけになり、この2つを守るだけなら「ゆっくり慎重に」やればそれは達成しやすくなる、ということです。
いかがでしたでしょうか。
こうしたお話しを私から製造現場の方々にさせていただくと、やはり多くの製造現場で「えっ?その2つだけじゃないの?」とか「売上目標って営業だけが考えるんじゃないの?」という反応になります。
しかしながら前述したように、製造現場に「売上目標」が課されるため、その日その日でさばく仕事量が意識され、「前倒し」や「早くやる」認識が生まれます。
繰り返しになりますが、①「納期に間に合わせる」②「不良を出さない」だけであれば、「ゆっくり慎重に」やる方が効果的ということになってしまい、ここを間違うと会社の生産性に大きく影響が出ます。
御社の製造現場はいかがでしょうか。
参考になれば幸いです。
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コラム投稿者
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代表:村上 英樹(中小企業診断士)
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