【自己啓発シリーズ⑪】金型メーカー・部品加工メーカーの処世術(勝ち組社員になるために)
【テーマ】とにかく「面倒くさい人」にならない
今回の内容を読んだ後に取り組める実践ワークは次のものになります。
- 金型メーカーや部品加工メーカーにおける「面倒くさい人」とは、どういった人が考えられますでしょうか。事例を挙げて考えてみてください。
- あなたがもし部下を持つ立場だとしたら、どういった人を身近に置きたいですか。スキル面でも性格面でも構いませんので、自由に考えてみてください。
- 完璧主義の人の長所と短所を挙げてみてください。
今回のテーマはいたってシンプルです。とにかく「面倒くさい人」にならないようにしましょう、ということです。
シンプルですが、これは処世術的にとても重要なことです。
なぜなら上に立つ人が、とにかく面倒くさい人を、自分の傍に置きたくないからです。
以前のコラムでも書きましたが、「昇進する」とは、上の立場の人に引っ張り上げてもらうという意味でもあるため、「コイツに傍にいて欲しくない」と思われてしまったら、一騎当千の力量を持つスーパー社員でもない限り(であったとしても)、上に上がれる可能性が低くなってしまいます。

そもそも面倒くさい人とは
では、そもそも「面倒くさい人」とはどういった人でしょうか。
ネットで「面倒くさい人とは」で検索すると、色々と出てきます。
自分のルールを人に押し付けたがるとか、組織で決まっているルールを文句を言って変えたがるとか、人の揚げ足ばかり取るとか、人の邪魔をする・周りに同調しないなど、色々です。
金型メーカーや部品加工メーカーにおける「面倒くさい人」も、概ねこのような感じだと思います。現場にいる面倒くさい人の「あるある」と言えば、やはり何かにつけて否定したり、邪魔をしてきたり、何かと一言多い、周りと歩調を合わせない、といった人たちでしょうか。
ただ私としては、明確にどういう言動・行動が「面倒くさい」と定義づけることよりも、上司や先輩と接する場面で、とにかく「これは面倒くさいな」と自分自身が思える態度や言葉を、注意して発しないようにすることが大事だと思っています。
例えば、金型メーカーや部品加工メーカーでよくあるのが、頼みごとをしたときの相手の対応です。
不満タラタラの顔をしたり、ひと言ふたこと嫌味を言わないと気が済まなかったり、延々時間をかけて説得しないとなかなか承諾してくれなかったり、屁理屈で断ろうとしてきたり、といった態度です。
また、仕事でうまくいった人がいると、妬んで機嫌が悪くなったり、足を引っ張ろうとする人も「面倒くさい人」の一例です。
これを読んでくださっている方も、何らかの心当たりがある人が思い浮かぶのではないでしょうか。
こういった人は、上の立場にいる人からすると、やはり自分の傍には置きたくないと思うものです。
なぜ「面倒くさい人」を傍に置きたくないのか
ではなぜ、仮にすごい能力を持つスーパー社員であっても、上司は傍に「面倒くさい人」を置きたくないのでしょうか。一番の理由は「物理的に時間を取られることが困る」ためです。
特に金型メーカーや部品加工メーカーに「あるある」の、プレーイングマネージャータイプの上司は、ほぼ例外なく忙しい人です。
そうした、日々納期や管理業務に追われる中で、部下に頼みごとをしたときの場面などで、先ほどの事例で出てきたような、いちいち嫌味を言って反論してくるとか、延々と時間をかけて説得しないいけないとか、屁理屈で駄々をこねてくるといった部下は、どれだけ仕事ができても、本当に鬱陶しいと思えてきてしまうわけです。
ですから、逆に好かれる部下と言えば、仕事をお願いしたときに、
- (嫌われる部下)不満タラタラの顔をする→(好かれる部下)仮に不満でも笑顔で接してくれる
- (嫌われる部下)ひと言ふたこと嫌味を言わないと気が済まない→(好かれる部下)ネガティブ発言は極力控える。ポジティブワードが多い。
- (嫌われる部下)延々時間をかけて説得しないと承諾しない→(好かれる部下)ひとつ返事で快諾してくれる。問題があれば解決案を考えてくれる、もしくは相談してくる。
と、いった感じになると思います。わかりやすいですね。
とにかく好かれる部下の一例として、忙しい上司の貴重な時間を奪わない!ということが鉄則です。
これは、自分の上司だけに限らず、経営者や外部の立場ある人など、世の中で「できる」と呼ばれている人全般に言えることです。
こういった人は概ねせっかちな人が多く、タイムイズマネーを意識している人が大半です。
そういった人と話すときに、例えば「えーと、えーと・・・」と、言葉がすぐに出てこない、ゆっくり話す癖があるといった人は、それだけで苦手とされてしまう可能性があるので注意が必要です。
もし改善したいという気持ちがありましたら、何でもいいと思いますので何か取り組んでみてはいかがでしょうか。例えば、家族や友達に協力してもらって素早く言葉を発する練習をしてみるとか、テレビに出ているタレントやお笑い芸人などを手本にして参考にしてみるなどが良いと思います。
私の場合は、フラッシュ暗算を毎朝何問か解くルーティンをやっていまして、頭の瞬発力を上げるトレーニングのつもりでやっています。
どういった人を傍に置きたいのか
では、部長や課長など、上の立場にいる人は、どういった人を傍に置きたいと思っているのでしょうか。
これは人の好みによりますので一概には言えないのですが、まず前提としてあるのは、上司といえど人の子だということです。
これは「面倒くさい人」の勘違いとしてよくあるのですが、優れた仕事遂行能力を持っていれば、それが評価の最優先になって絶対に昇進できる、それが会社というものだ、という間違った認識です。
つまり力量さえ備わっていれば、性格は関係ないという認識です。
ですが先ほど書きましたように、昇進とはすでに上にいる人から引っ張り上げてもらうことが多いため、その上にいる人から、身近なところで一緒に仕事をして欲しい・補佐して欲しいと思われなければ、上に上がれる可能性は乏しくなると思った方がよいということです。会社とはそういうところです。
コンサルタントである私が、多くの金型メーカーや部品加工メーカーを見てきて、いい形で昇進している人の共通点と考えられるのが「可愛げのある人」です。
ある意味、「面倒くさい人」の対局とも言える位置づけかもしれません。
この「可愛げのある人」は、適度に隙がある人です。この「適度に隙がある人」は一緒にいて疲れません。
一方、「適度に隙がある人」の真逆にいる人の一例が「完璧主義の人」ですが、こういう人は仕事については完璧に仕上げようとするかもしれませんが、日常会話にも完璧主義を持ってこられると一緒にいてとても疲れます。
また、この「完璧主義の人」に仕事を頼むと、負荷に合った仕事を頼んで欲しいとか、力量に対して過剰過ぎない仕事がいいだとか、そもそも会社としてそれはやるべき仕事なのかといった「あるべき論」を持ち出してきたりとか、何かと制約条件を厳しく設定してくる場合があります。
ん?・・・ちょっと待ってください。この発言って、冒頭に挙げた「面倒くさい人」に仕事を頼んだときの反応に似ていますよね。
そうなんです。「面倒くさい人」の一部には、この完璧主義の人も含まれるということです。もし思い当たる方は、この機会にぜひ注意されると良いと思います。
ここで「一部」とか「含まれる」という表現をしているのは、「面倒くさい人」の全てが完璧な仕事をしたいから面倒くさくなっているというわけではなく、単に天邪鬼なだけで面倒くさくなっている人もいるためです。
ですが、本来仕事に対して誠実な「完璧主義の人」が結果的に行き過ぎてしまい、「面倒くさい人」という認識をされていること自体、本人にとって勿体ないことですので、少し軌道修正した方がよいと思います。
「完璧主義の人」の望ましい軌道修正としては、次のようなものになると思います。
- 本業実務のモノづくりは、完璧主義の性格を活かし、きっちりやりきる。ただし周りの人に自分の仕事のスタンスを押し付けたりしない。
- プライベートや日常会話では適度に隙を見せる。
これを上司や先輩への対応で実践できれば、120点の対応だと思います。
「適度に隙がある」とは、どういうことでしょうか。本来隙は無いにこしたことはありません。勝負ごとで隙があると、そこを突かれて負けることもあります。
ですが上司や先輩との人間関係、特に日常会話やプライベートなどにおいては負けてナンボです。いわゆる花を持たすということです。ドジ話をしてテヘペロするのが可愛いということもあるでしょう。
間違っても仕事で出し抜こうなどと思わないことです。よくあるのが、実際に作業したのは自分だからと、上司や先輩を出し抜いて自分の手柄にしてしまおうとする行動です。こうした態度は「可愛げがある」からは正反対になってしまいます。
ですから、仕事では完璧主義できっちりやりきる、日常会話ではドジな一面を見せてテヘペロし可愛げを出す、これに尽きます。
つまり、上司や先輩が欲しいのは「安心感」なのです。
上司や先輩が欲しいのは「安心感」
仕事はきっちりやってくれて「安心感」がある、普段の日常では、絶対に自分を出し抜いてこない「安心感」がある。仕事・プライベート、いずれにおいてもこの「安心感」を持ってもらうことが重要なのです。
そういう点では、ちゃんと軌道修正が出来ている完璧主義の人は、部下として、とても頼もしい存在になり得るかもしれません。
したがって、部下を持つ上司という立場になる前に、完璧主義が足を引っ張ってしまわないよう、やはり今のうちに軌道修正しておいた方がいいということですね。
上司という立場で、完璧主義が足を引っ張ってしまうケースとしては、部下のちょっとしたミスや、やり方の違いが許せなくなるという場面があります。
ですが、こういった場面での寛容さがいわゆる「器の大きさ」になるため、ぜひ今からでも意識して気を付けておきたいところです。
ポイントは、許す許さないの「許容値」を持つことです。ある一定のところまでは広い心で見守る、そして一定のラインを超えたら、愛を持って「叱る・注意する・教える・指導する」ことです。
まだ上司という立場になっていない人でしたら、「叱る」や「注意する」場面はまだないかもしれませんが、完璧主義の人は、普段から物事に「許容値」を設定して、特に人間関係については寛容さを意識して身に付けていくことは、処世術という観点においてはとても重要なことだと思います。
上に上がれば、もっともっと寛容にならなければならない場面は増えてきます。そのたびに怒っていては器が知れるというものです。
大きなマネジメントをすると、些細な問題にいちいち怒っているわけにはいきません。怒りはエネルギーと時間を浪費します。
自分は大きなマネジメントやジャッジをするために、細かな問題は部下に任せておくのです。それが上の立場で仕事をするということです。
ですから今からでも、来るべき大きなジャッジのために、小事に心を揺れ動かされないための練習をしていきましょう。それが「器の大きさ」を得るための第一歩です。
まとめ(勝ち組社員になるために)
さて、今回の内容を整理しますと、
- 金型メーカーや部品加工メーカーにおける処世術的に、とにかく「面倒くさい人」になってはいけない。
- 何かと反論するタイプの「面倒くさい人」は、特に忙しい上司や先輩の貴重な時間を奪ってしまうという理由で、嫌われる可能性が高い。
- 一方、適度に隙がある部下は、可愛げがあるという点で、上司に好かれる可能性が高い(特に、仕事ではなく日常生活の方で)。
- 処世術的には上司や先輩に「安心感」を持ってもらうことが大事。
- 仕事では「きっちり」の安心感、日常生活では「上司を出し抜かない」の安心感、この2つの「安心感」が重要。
- 完璧主義は行き過ぎると「面倒くさい人」になるリスクがあるが、適度に緩めていけば、逆に頼もしい存在になっていける。
と、いったところでしょうか。
業務中に限らず、日常生活においても、他人の時間を奪うことは、本人に悪気が無くて無意識だとしても、どうしても嫌われる可能性がある行為です。
特に忙しい現代人は、タイパ・コスパを気にする人が多いため、ここはぜひ気を付けたいところです。
一方、今回のテーマである「面倒くさい人」は、プライベートにおいても「何を食べるか」「どこに行くか」といった議論の際にも、何かと屁理屈や反論ばかりする人もおり、こういう人とはあまりお付き合いをしたくないという人も少なくないと思われます。
「面倒くさい」タイプの人が、あまりこういった処世術に関するものを読むことはないと思いますので、これを読んでくださっている読者の方には「面倒くさい人」はおられないと思いますが、わずかな一部分的なところでも、特に上司や先輩、さらにその上の立場の人と接する時には、ぜひ注意して気を付けていただきたいと思います。
参考になれば幸いです。
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コラム投稿者
金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054

