【今さら聞けない】3段階の多能工化レベル、御社は今どのレベル?

応用的な作業の教え方(覚え方)の標準化事例
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【今さら聞けない】3段階の多能工化レベル、御社は今どのレベル?

金型メーカーや部品加工業における多能工化ですが、私は3段階のレベルを設定し、現場診断を行っています。

多能工化の3段階レベルとは次のようなものです。

  1. レベル①:機械加工工程においては複数の機械を受け持つ多台持ちができており、設計者やCAMオペレーターにおいては複数ソフトが扱え、ハンドワーク部門においては複数の機械を扱うことができている。
  2. レベル②:自分の受け持つ工程のすぐ後の工程の作業を「ついでに」行うことができる。主に指示書などの間接コストの削減に寄与している。
  3. レベル③:設計と組み立て・トライ工程など、部門をまたいだ多能工化を実践している。

では、これらが企業経営にどのようなメリットをもたらすのか見ていきたいと思います。

3段階の多能工化、その効果とは

まずレベル①ですが、ある一つの工程において、複数の機械やソフトが扱える、いわゆる「多台持ち作業」ができる状態であれば、その工程の稼働率UPが見込めます。

一方、レベル③の「部門をまたいだ多能工化」については、特定の工程だけではなく、会社全体での稼働率UPが図られます。

これはどういうことでしょうか。

レベル③を極めると、最小人数で可能な最大の生産性が見込めるということになります。

このレベル③の多能工化は、ガンガン儲かっている金型メーカーや部品加工業では、あまり必要性がないかもしれません。今後さらに人を採用していっても、その人件費を上回って、仕事が取れる・高い付加価値で仕事が受注できるという会社であるためです。

逆に、ちょっと収益性が落ちている・収支トントンもしくは赤字に陥っている・年々仕事の単価が落ち以前のような限界利益が得られない、という金型メーカーや部品加工業については、言うまでもなく、レベル③の多能工化は必須になります。

こういったメーカーは、「自分の工程の仕事は終わったから、後の仕事は次工程の人にお任せ♪」などと言える余裕はありません。

そもそも私は、特に金型メーカーにおいては、部門をまたいだ多能工化は必要不可欠だと思っています。

金型メーカーは特に・・・

近年私の契約先企業は、プレスメーカーや成形メーカーの金型内製部門が多くなりました。

CAD/CAMの進化やマシニングセンターをはじめとする工作機械の進化により、これまで金型を全て外部調達していたプレスメーカーや成形メーカーも、かなりの難易度の金型まで内製化しています。

しかも、製造コストが最優先になりがちな金型メーカーに対し、少しでも耐久性があり、保全がしやすい金型を作ろうと、若手からベテランまで一丸となっているプレスメーカーや成形メーカーの内製部門の方々の熱意はとても高いものがあります。

そうなると、すでにプレスメーカーや成形メーカーと同じものを作っている金型メーカーに対し、以前のような高額な単価で金型を調達するという意義はなくなります。

例えば金型設計者についても、私自身も2次元・3次元設計も両方やりますが、新たな金型構造の発明・開発などの担当者でない限り、設計作業を支援するCADの進化もあり、近年の金型設計は、類似金型をベースに編集的な設計を行う「作業」に近く、設計者と言うだけではもはや高い給料を払うだけの付加価値はすでに無いと思っています。これはハンドワーク単体の作業においても同様だと思っています。

しかし、年齢と共に基本給は上がっていかなければいけない、しかし逆に金型の単価は下がってくる、しかも金型の各工程の作業者としての付加価値は相対的に上がらずむしろ下がってくる。

こうなると、金型メーカーにおける「部門をまたいだ多能工化」はもはや当たり前の流れであり、その貢献度が社内での人事面での評価対象になると思っています。

「いやいや、本当にそんなことできるんかい!?」と言われるかもしれません。ですが私自身、金型の設計(2次元・3次元共に)をやりつつ、現場がオーバーフローすれば、マシニングセンター(3軸・5軸共に)のオペレーターもやりましたし(CAMもやります)、組み立てもやり、金型の上にまたがってTIG溶接の肉盛り補修などもやりました。

むしろ色々とやれる方が、将来にわたって仕事が面白くなると思います(今現在は、中小企業診断士資格を取ったことでコンサルタント業になっていますが)。

話を整理します。

  1. レベル①の多能工化は、一つの特定の工程の稼働率UP
  2. レベル②の多能工化は、間接コストの削減が得られる。
  3. レベル③の多能工化は、会社全体の稼働率UP(一人あたりの付加価値UP)

となります。

最後になりますが、レベル②の効果については、下記のコラムをご覧ください。

20年以上前など今ほど納期がタイトでなかった頃、分業が主流になる前までは、1人で全部やるのが当たり前でしたが、1周回って今度は、会社全体としての稼働率・生産性を最大限に高めるため、「部門をまたいだ多能工化」が必要になってきたと思っています。

ぜひ「市場価値」の高い作業者を目指す方々にも参考になれば幸いです。

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コラム投稿者

金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市 TEL 0566-21-2054

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